

「コロナ禍だけど、何か新しいことを始めたい」
そんなことを考えていたときに偶然出会った「教育格差」をテーマとした政策コンテストのリポート記事。記事を読み始め、目に留まったのは、ある学生記者の文章でした。「私は大学進学を機に青森県から上京して都会との教育格差に気づきました」。この冒頭一文に、同じように青森県から上京して教育格差について考えるようになった私は親近感を覚えました。そして同時に、学生記者という存在に興味を持ちました。
2年間のDIALOG学生部の活動で12本の記事に携わらせていただきました。その中で、特に印象に残っている活動について振り返ります。

限られた時間で取材 熟考
沖縄復帰50年のシンポジウム「沖縄を考える 沖縄から考える~復帰50年、そして未来へ」の取材は、目を背けてきたことと向き合うきっかけとなりました。私は登壇者だった沖縄タイムス編集局長(当時)の与那嶺一枝さんを取材しました。限られた時間内でデリケートな話題についてどのような質問をするか熟考に熟考を重ねたことを覚えています。
インタビュー内容だけではなく、与那嶺さんの発信に対する思いからも多くのことを学びました。大学で履修した学芸員課程の授業では、「もの」を通して負の歴史をどのように伝えるのか考えたことがありました。インタビューを通して戦争に関する発信の難しさ、人々が対話して考えていくことの大切に気づくことができました。

また、下水道に関わる企業2社とのコラボレーションで「2050年を一緒につくる」をテーマに防災について「社会人に教える授業」をしたことも印象的でした。本番以外、打ち合わせは全てオンライン。コロナ禍での企画として勉強になることが多くありました。
学生メンバー3人で授業内容を考える際、困難に遭遇することはありましたが、目的に立ち返りながら話し合って乗り越えたことも成長の機会となりました。
学生が社会人に対して授業をする機会は多くないと思います。いろんな立場の人々がコラボレーションして企画をつくり上げる面白さを見いだすことができました。
さまざまな人とコラボ 挑戦・成長
「サンデル教授との対話 私たちの白熱教室」では、書籍を読んで実際に質問する機会を得られたことは貴重な経験でした。今後の人生で「社会的・経済的背景に関わらず教育の機会を提供できる社会の実現」を目指し、教育を軸に社会貢献していきたいと考えるきっかけとなりました。
普段、直接話すことができないような方から話を聞くことができることもDIALOGの魅力です。どの企画においても、書ききれないほどの多くの学びがありました。私にとってDIALOGは、成長と挑戦の場でした。

もっと知りたい アンテナ敏感に
DIALOGの活動を通じて「もっと知りたい、聞きたい」というアンテナが敏感になりました。発見や探究の種は、案外、半径2メートルの日常に転がっています。その発見が企画になることや、取材につながることを身を持って味わうことができました。
また「大学生だからこそできること」は貴重な経験だと思います。「大学生だから発信できることとは何だろう?」と普段から頭を悩ませていましたが、しがらみのない立場だからこそできることがある、と気づくことができました。
取材で出会った方々、学生部のメンバー、編集部の方々、DIALOGで出会えた方々からいろんな刺激を受けました。学生部のメンバーは多様な分野で何かに挑戦していて、尊敬できる人たちでした。そんな仲間と記事を執筆したり、企画を考えたりできたことが私にとって大切な時間となりました。
DIALOGはすてきな仲間とも出会える場所です。あなたも、DIALOGで成長と挑戦の一歩を踏み出してみませんか?