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淡水魚弱らす寄生虫、被害拡大 中国原産の貝が持ち込む

2009年3月9日18時19分

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 中国から日本に持ち込まれた二枚貝、カワヒバリガイが、淡水魚を衰弱させる寄生虫を広げていることが、滋賀県立大の調査で分かった。淀川、宇治川水系を皮切りに、淡水魚の宝庫である琵琶湖にまで侵入していた。この貝は旺盛な繁殖力で、水力発電や農業用の水路をふさぐ被害も出している。3月17日から盛岡市で開催される日本生態学会で発表される。

 カワヒバリガイは90年以降、輸入シジミに紛れて日本に持ち込まれた。琵琶湖では92年に見つかり、利根川や霞ケ浦などにも広がった。環境省は06年、特定外来生物に指定して、駆除を進めている。

 貝から見つかった寄生虫は、中国のナマズ腹口吸虫(ふっこうきゅうちゅう)。貝の中で分裂して増えると、冬に水中を漂い、コイ科の魚に寄生する。この魚を食べたビワコオオナマズなどの体内で産卵する。寄生された魚は目やひれから出血し衰弱する。えさをとれずに死んだり、天敵に食べられやすくなったりする。

 国内では00年1月に宇治川で初めて、衰弱したオイカワという魚から見つかった。滋賀県立大の浦部美佐子准教授(陸水生物学)が調べると、宇治川と下流の淀川の貝の2〜4割から見つかった。体長約10センチの魚1匹に1万も寄生する例もあった。

 07年11月には、琵琶湖に直結する堰(せき)にいた貝247匹のうち2匹から見つかり、琵琶湖にも侵入していた。

 琵琶湖には、オイカワなどコイ科の魚が約30種いる。このうち、ワタカ、ホンモロコ、ニゴロブナなど七つの魚は、琵琶湖にしかいない固有種だ。

 浦部さんは、固有種への影響を調べるため、寄生虫を持つ貝がいる水路にワタカ20匹を放し、25日間、観察すると、5匹に244〜620も寄生していた。

 特産品のふなずしに使うフナの仲間にも寄生するが、人が寄生された魚を食べても問題はない。アユには寄生しない。

 浦部さんは「寄生虫の数が増えなければ、魚への影響は少ないので、カワヒバリガイを減らす対策が重要だ」と話している。(長崎緑子)

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