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採集と農耕併存、稲作の広がりはゆっくり 英中日チーム

2009年4月29日14時19分

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 中国の長江下流域で、稲作がすでに始まっていた6600年前に、栽培した稲だけではなく、野生の稲もなお相当量食べていたことを英中日3カ国のチームが解明した。稲作は1万年以上前に始まったとされるが、採集から農耕生活に一気に変化せず併存し、栽培した稲が占める割合はゆっくり増えていたことがわかった。米科学誌サイエンスに発表した。

 英ロンドン大のドリアン・フラー講師らは、上海の南にある田螺山の集落の遺跡で、米だけでなく、どんぐりなども出てくることに気づき、稲作が始まってからも、木の実や野生の稲を採集して食べていたと推定した。

 そこで、どんぐりやもみ殻など残っている植物2万3千個以上を集めて分類した。植物全体にしめる稲の割合は、6900年前の8%から6600年前には24%まで増え、生活の中で次第に重要度を増した様子がうかがえた。

 稲については、もみ殻の付け根部分を顕微鏡で観察。熟してはがれ落ちる性質をもつ野生の稲にはなめらかにはがれたあとが残り、栽培稲には人工的にもぎとられた傷があることに注目して分類した。約2600粒を野生、栽培、区別できない未熟なものに分けると、栽培稲は6900年前は27%、6600年前には39%で、栽培稲の比率がゆっくり上がったことがわかった。

 チームの総合地球環境学研究所(京都市)の細谷葵研究員は、「今後、他の地点でも同じような解析を進めると稲作の広がり方がはっきりしてくるだろう」と話す。(瀬川茂子)

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