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省エネ賞の冷蔵庫、実は不当表示 日立子会社に排除命令

2009年4月20日20時34分

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写真カタログなどの表示が排除命令の対象となった「栄養いきいき 真空チルドV」=日立アプライアンス提供

 リサイクル素材を使った「省エネ」製品として売っていた冷蔵庫9機種に、実際にはその素材をほとんど使っていなかったとして、公正取引委員会は20日、日立製作所の家電子会社「日立アプライアンス」(東京都港区)に景品表示法違反で排除命令を出した。消費者の誤解を招く不当表示にあたると認定した。

 命令の対象は、同社が昨年9月以降に発売した大型冷蔵庫「栄養いきいき 真空チルドV」6機種と「ビッグ&スリム60」の3機種。この9機種は1月、財団法人「省エネルギーセンター」の省エネ大賞で同センター会長賞を受賞していたが、同センターは同日付で授賞を取り消した。

 公取委によると、同社はカタログや新聞広告、ポスターで、廃家電からリサイクルした樹脂を断熱材に使い、使用しない機種と比べて製造工程での二酸化炭素の排出量を大幅に削減しているなどと宣伝していた。しかし、実際には一部にしか使っておらず、約48%削減とした表示もあったが、前年に発売した旧型機種の製造工程と比べ、削減量は多くても15%程度にとどまるという。

 同社によると、9種類は3月末までに、約15万台を販売し、約300億円の売り上げがあったという。昨夏ごろ、新型機種の断熱材にリサイクル素材を使うことが決まったが、発売直前に十分な断熱効果が得られないことが判明。いったんは、この素材の導入を取りやめたが、宣伝を担当する部署に情報が伝わらなかったと説明している。(小島寛明)

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