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温室効果ガス「05年比15%減」 中期目標発表

2009年6月10日21時50分

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 麻生首相は10日、記者会見し、2020年までに日本の温室効果ガスの排出量を「05年比で15%減」とする中期目標を発表した。従来基準の90年比では8%減になる。外国からの排出枠の購入などは含まず、国内対策だけで達成させるのが特徴。12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に向けた国際交渉で日本の基本的立場となる。最終的な目標値は交渉の結果決まる。

 政府は90年比7%減(05年比14%減)の方向で最終調整していたが、首相が1ポイントの上積みを決めた。現行の10倍と想定していた太陽光発電の導入規模を、20倍に膨らませることなどで削減幅を増やした。基準年は90年ではなく05年にした。

 中期目標をめぐっては、専門家でつくる政府の検討委員会が4月、90年比4%増(05年比4%減)から同25%減(同30%減)まで、六つの選択肢を公表。経済界が緩やかな目標を求め、斉藤環境相や環境NGOが大きな削減幅を主張するなか、首相は中間的な水準を選択した。首相は会見で「この目標は石油危機の時を上回るエネルギー効率の改善をめざす、極めて野心的なもの。これ以上大きくすると、国民負担もあまりに重くなる」と説明した。

 05年比による削減幅は欧州連合(EU)や米国をわずかに上回る程度だが、日本の場合は国内の純減分で、他国への技術・資金協力の見返りに取得する「排出枠」や、森林が二酸化炭素を吸収する分は含まない。首相は欧米の目標との違いを強調し、これらを含めて削減幅を上積みするかは「今後の国際交渉を見極めて判断する」とした。

 国際交渉では、世界全体の排出量の2割を占める中国や、インドなどの新興国が、削減義務を負うかが最大の焦点となる。首相は、国際的な枠組みに参加する国には日本が持つ省エネ技術で積極的に支援する考えを示した。

 中期目標は(1)太陽光発電を現状の20倍に増やす(2)新車販売の半分程度をエコカーにする(3)新築住宅の8割を次世代省エネ基準に適合させる――などの国内対策が前提。政府の試算では、20年時点で世帯当たりの可処分所得を4万3千円押し下げ、光熱費支出を年3万3千円膨らませるなど、家計への悪影響も避けられないとしている。

 首相は「国民負担を下げるため、政府はあらゆる努力を払わなければならないが、地球を守るためのコストだ。生活者、産業界、労働界、国、地方が一致協力して、行動を起こさなければならない」と述べ、国民各層に協力を呼びかけた。

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