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太陽光発電ヒートアップ 補助で割安「早い者勝ち」

2009年7月25日4時55分

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図太陽光発電の負担額の例

 住宅向け太陽光発電設備に対する自治体の補助制度に申し込みが殺到している。制度を持つ全国24都府県のうち、岩手、岡山、沖縄では今年度の当初予算を使い切り、埼玉と富山では底をつきそうになって追加の対応を迫られた。今年1月から政府の補助金も復活、「割安感」で設置が予想以上に増えているためだ。

 「想定外の人気。見込みが甘かった」。岡山県は7月7日から、太陽光発電設備に対して、出力1キロワットあたり7万円(最大28万円)の補助金制度を導入。来年1月末まで受け付ける予定だった。しかし初日だけで300件、6日間で1千件を超え、2億5200万円の当初予算枠は1週間で埋まった。

 岡山県里庄(さとしょう)町では7月1日に補助金制度を開始すると、わずか1時間で17件、800万円の予算分の申請が集まった。7月23日には16件分、660万円の予算を追加した。

 沖縄県も4月から始めた定額2万円の補助金に対し、年間予想の300件を20件程度上回る申請があったため、7月14日で締め切った。埼玉県は6月末までの3カ月間で予算の8割超が埋まる申請があり、富山県では2カ月間で6割超となり、両県は追加の補正予算で対応。宮城県、福井県でも、すでに予定枠の3分の2以上の申請があり、当初予算を使い切りそうだ。

 太陽光発電協会のまとめでは、都府県と市区町村を合わせると、全国454の地方自治体で補助制度が導入されている(8月3日現在、検討中も含む)。自治体は、地球温暖化防止や地域の経済効果を狙って国の補助再開に追随。東京都足立区など手厚い地域では国と都府県、市区町村の三つの補助制度が利用できる。

 さらに、太陽光発電設備の設置負担を軽減するために、家庭の太陽光発電で余った電力を、現行の2倍の価格(1キロワット時あたり48円)で、電力会社に買い取りを義務づける制度が、年内にも始まる。太陽電池メーカーは、09年度の日本市場は出荷ベースで前年度比1.7倍になる、とみる。

 熊本県大津町の会社役員、江原梅夫さん(58)は国と県、町の補助金を使って7月末、太陽光発電設備をつけたばかり。設置費約270万円に対し、補助額は計約55万円。「自然エネルギーに関心があった。補助金もあり、売電価格も2倍になるから思い切ってつけた」

 一方、太陽光発電の設置現場では技術のある業者も不足気味だ。三菱電機は、自社が開く技術講座の受講者を、昨年の5倍の年間5千人に拡大。「これでも足りないぐらいだ」という。ほかのメーカーも施工業者の養成を急いでいる。

 ただ、太陽光発電ブームでも、多くの自治体の補助金は「早いもの勝ち」。希望する人に広く行き渡らない。補助金が打ち切られれば、ブームは去りかねないと心配する声もある。(堀内京子)

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