2次放鳥を前に、新設された「放鳥ケージ」に移されたトキ=新潟県佐渡市、戸村登撮影
2次放鳥を前に、新設された「放鳥ケージ」に移されたトキ=新潟県佐渡市、戸村登撮影
新潟県・佐渡島の佐渡トキ保護センターで飼育・繁殖が進められている国の特別天然記念物トキが、29日に放鳥される。昨年に続いて2度目。雄雌20羽が、山の斜面に設けられた放鳥ケージ(高さ3メートル、幅10メートル、奥行き25メートル)に移され、旅立ちまでの日々を過ごしている。
ケージは鉄パイプの骨組みに緑色のネットを張ったゴルフ練習場のような形状。互いのくちばしで羽づくろいをするなど、トキたちも新居に慣れてきた様子だ。放鳥の当日は、トキに負担をかけないようケージの出入り口を開け、自然に飛び立つのを待つ。
トキは乱獲や環境の変化で減少し、28年前に自然界から姿を消した。初放鳥から約1年たった現在、島内に雄4羽、海を越えた本州で雌3羽が確認されている。環境省は今後も放鳥を続け、2015年をめどに島内に60羽を定着させる計画だ。(高橋淳)