パネル討論 海を蝕むプラスチック 私たちにできることは?|2019講演記録|朝日地球会議2019|朝日新聞

パネル討論
海を蝕むプラスチック 私たちにできることは?
ピリカ 代表 小嶌 不二夫
東京理科大学教授 二瓶 泰雄
コーディネーター 朝日新聞科学医療部記者 杉本 崇

生活見直し、ごみ減らす行動を

二瓶 泰雄さん

世界で「年間800万トン」と推計されている海洋プラスチックごみは、どこから来ているのか。5ミリより小さいマイクロプラスチックを減らす手立ては――。登壇した2人は、生活を見直すことでかなり減らすことができると訴えた。

東京理科大の二瓶(にへい)泰雄教授は、プラスチックが紫外線の影響で劣化して小さくなり、川の流れに乗ったり波に洗われたりして、マイクロプラスチックに変化する過程を説明した。「洗濯ばさみが粉々になる例をご存じと思うが、あれがまさに太陽光で劣化し、破片化してマイクロプラになっている」と語った。

そして、全国70の河川を調査した結果を踏まえ、「プラスチックの破片、球状のマイクロビーズ、レジ袋のかけら、洋服の繊維などが全国の河川で見つかった。1年間に2兆個ぐらい、1人当たり2万個のマイクロプラを出している」との推計を紹介した。

発生源として、回収のため路上に出されたごみが散乱したり、洗濯などでプラスチック由来の繊維が下水道に流れ出したりする点を挙げた。


小嶌 不二夫さん

「プラスチックを含む製品を使わない生活に転換するのは難しいが、生活は見直せる」と二瓶さんは訴えた。ペットボトルやレジ袋、弁当などの食品トレーなどを1人当たり年間計20キロくらい使っているとしたうえで、これらを減らすと「ごみの量はかなり変わる」と呼びかけた。

ごみ拾いの状況がひと目でわかるスマホアプリの事業などを手がけるピリカ代表の小嶌(こじま)不二夫さんは、屋外にあるプラスチックとして「街中では人工芝の破片が多い。田舎ではプラスチックでコーティングの肥料のカプセルが多い」と紹介。そのうえで、プラスチックを使わない商品を選ぶようになれば企業側も関心を持つようになる。行政や政治家に働きかけていくことも必要だと訴えた。

ごみを減らすには自分たちの行動を変えることも大切だと指摘。「日本人1人が出すプラスチックのごみの量くらいなら、海岸で活動すれば拾える。減らす側の人が少しでも増えれば」と話した。

会場からは「プラごみの問題に関心のない人に興味を持ってもらうにはどうしたらいいか」という質問が出た。二瓶さんは「クールビズという言葉が流行、定着した。同じように脱プラ、減プラが当たり前な世界になってほしいし、期待している」と答えた。


<二瓶泰雄> 東京理科大学教授。専攻は河川工学など。全国の河川でマイクロプラスチックによる汚染状況やその原因を調査している。

<小嶌不二夫> ピリカ代表。ごみのポイ捨て問題に取り組もうと2011年に創業。ごみ拾いアプリ「ピリカ」を開発、河川の調査にも取り組む。

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