講演「走ること~それぞれの理由と意味」|2019講演記録|朝日地球会議2019|朝日新聞

講演
「走ること~それぞれの理由と意味」
プロランニングコーチ 金 哲彦

大事な体力、守りながら楽しく

金 哲彦さん

ランニングブームで走る人が非常に増えました。人間はなぜ走るのか、という根本的なことを考えますと、生まれながらに走る本能が備わっているからだ、と思います。赤ちゃんは寝返りを打ち、ハイハイをはじめます。その後、つかまり立ちができるようになります。やがて歩き始め、気がついたら走っていますよね。

フルマラソンの完走者総数で、日本は世界一になりました。市民ランナーの分野では世界有数の「マラソン先進国」です。ランニングを始めた人のきっかけは、「運動不足解消のため」「健康のため」「ダイエットのため」という理由が多いです。一方、米国は「体形維持のため」を挙げる人が多く、事情が異なります。

ランニングは体力増強、アンチエイジングなどの身体的効果が期待できます。いつでも、どこでもできますし、お金もかかりません。ゆっくり走り続ければ、リスクはほとんどありません。走ることはストレス解消につながります。脳も使うので、いろんなアイデアが浮かぶという方もいます。ふだん走っていない方は、いきなり走るのではなく、早歩きからチャレンジしてはどうでしょうか。

人間には道具を使い、仲間と助け合い、走り続けるという能力が備わっています。人間が人間らしくあるには、これらをバランス良く保つことです。でも、テクノロジーが進化する一方で、後者の2点が若干置き去りにされている気がします。

大事な自分の体力を守っていくことを、一人ひとりが、ぜひ考えて欲しいです。走りながら、あるいは歩きながら、(物事を)考えて、そして楽しくなって最後は皆さん仲良くしていきましょう――。

これが、私からの提言です。

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