パネル討論「待ったなしの気候変動対策 世代を超えて危機意識の共有を」|2019講演記録|朝日地球会議2019|朝日新聞

パネル討論
「待ったなしの気候変動対策 世代を超えて危機意識の共有を」
AGC 取締役 兼 会長 旭硝子財団 理事長 石村 和彦
東京大学 未来ビジョン研究センター 准教授 杉山 昌広
お笑いジャーナリスト たかまつなな
コーディネーター 朝日新聞編集委員 石井 徹

自分事として考える

たかまつななさん

気候危機が迫る中、行動しない大人たちに対する若者の抗議が世界で広がっている。9月の一斉行動には、400万人以上が参加したが、日本では数千人にとどまる。なぜなのか。

「ブループラネット賞」で地球環境の重要性を訴える旭硝子財団理事長の石村和彦さん、環境・エネルギー政策が専門で東京大学未来ビジョン研究センター准教授の杉山昌広さん、笑いを通じて国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に取り組む、お笑いジャーナリストのたかまつななさんが議論した。


石村 和彦さん

石村さんは、財団が1992年から発表している世界各国の有識者への意識調査「環境危機時計」で、今年は「極めて不安」な「9時46分になった」と報告。世界では、20~30代の危機意識が急速に高まっているという。

脱炭素の進み具合について、日本は「どちらとも言えない」という回答が多く、「あまり関心がないのではないかと危惧している」と述べた。


杉山 昌広さん

杉山さんは「将来に希望が持てる」と答えた日本人の割合が、欧米や中国、韓国に比べて低いことや80年代は多様だったリクルートスーツが最近は黒一色になっている状況を説明。社会の窮屈さや英語による情報共有の問題にも言及した。

たかまつさんは「政治や企業は『自分が逃げ切れればいい』という感覚ではないか。私は26歳だが、50年後の未来を語る人がどれだけいるのか」と指摘。若者を動かして社会を変えるには「『危機感』と『楽しさ』が必要」と訴えた。

石村さんは「ファクトや自分事として考える大切さ」、杉山さんは「イノベーションの重要性」を強調。たかまつさんは「出る杭は打たれるので、金銭的支援に限らず、頑張っている若い人を応援して」と呼びかけた。

コーディネーターから

「このセッションがなければ、決して顔を合わすことはなかったでしょうね」 ある登壇者の言葉に思わずうなずいた。20代の芸人と40代の研究者、50代の記者、そして60代の企業人が、温暖化について議論することはめったにない。貴重で大切な機会だった。

世界に広がる「学校ストライキ」の中心は10代の若者たちだ。彼らの訴え「気候正義」には、危機をつくったのは経済大国や現世代なのに、貧困国や次世代が被害を受けることへの抗議がある。多くは選挙権や政策決定権さえない。

公平性を実現し、若者が声を上げやすい社会を作るには、全ての世代が一緒に話をしていくしかない。その小さなきっかけになれば、うれしい。(コーディネーター・石井徹)

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