講演「AI時代を楽しく生きる」|2019講演記録|朝日地球会議2019|朝日新聞

講演
「AI時代を楽しく生きる」
ピクシーダストテクノロジーズCEO 落合 陽一

人口減少、テクノロジーで幸せに

落合 陽一さん

「AI時代を楽しく生きる」と題した講演で、ピクシーダストテクノロジーズCEOで筑波大准教授の落合陽一さんは「10代の人と対話をしたい」と、会場にいた若者からの質問に答えながら、気候変動問題や教育改革、中央集権化と人工知能(AI)、少子高齢化などについて語った。

「ビジネスと環境問題をつなげた仕事をしたい」という若者に対しては、持続可能な開発目標(SDGs)や環境や社会問題などに配慮した「ESG投資」への関心が、経済界でも高まっている現状を紹介。環境に負荷をかけないエネルギー消費のあり方として「ITを活用してCO2(二酸化炭素)排出権取引をすること」などにも目を向けてみてはと語った。

進路選択を控える高校生からは、教育に関する質問が相次いだ。「教育改革の理想像」を問われると、「プロジェクトベース・ラーニング(問題解決型学習)で、早めに自分の専門性を探し始められる教育がいい」と回答。「高校生のうちに何が好きかを明確に言える人間になっていると良いと思う」と話した。


大学で建築を学びたいという高校生は「偏差値の高い学校とCG(コンピューターグラフィックス)などが学べる学校のどちらを選ぶべきか」と質問。様々な道があるとした上で「CGは何歳で学んでも良いけれど、数学は早くから学んだ方が良い」と助言した。

大学生からは「中央集権化とAIの親和性」に関して問いかけがあった。「親和性は高い」とした上で、今、社会が抱えている問題を解決するためには、テクノロジーのための政策と政策のためのテクノロジーの両方を推し進める必要があるとした。

ただ、テクノロジーを発展させる過程では、プライバシー保護などの人権問題が生じることがある。人権は、人が積み重ねてきた重要な文化的価値だとして、「人権という軸とテクノロジー的な利便性の軸を常に対話させていく必要がある」と強調。イノベーションを起こし続ける基盤となる多様性を支えていくためにも、人権意識を培わなければいけないとした。

自身が最も関心があるのは「高齢社会にどうやって希望を見いだすか」ということだという。人口が減少し、インフラが衰退していく中でも、社会を成長させることができる「撤退戦」の戦略づくりに取り組む。

テクノロジーの活用で人手不足を補い、認知症の高齢者にも活躍してもらえる方法などを模索する。人口爆発の社会よりも、人口減少の社会の方が、人の幸せに配慮することができるかもしれないとして「社会に失望はしていない」と述べ、課題の解決に取り組んでいくと強調した。

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