パネル討論「True Colors ありのままでいられる超ダイバーシティ社会へ」|2019講演記録|朝日地球会議2019|朝日新聞

パネル討論
「True Colors ありのままでいられる超ダイバーシティ社会へ」
日本財団常務理事 樺沢 一朗
日本ダンススポーツ連盟 ブレイクダンス部長 石川 勝之
コーディネーター 朝日新聞社会部記者 斉藤 寛子

意識改革、この1年で

樺沢 一朗さん

障害の有無や国籍、言語、肌の色、年齢、性の違い――。私たちを隔てる壁を取り払い、誰もがありのままでいられる社会のあり方について、日本財団が主催する「トゥルー・カラーズ・フェスティバル(TCF)超ダイバーシティ芸術祭」を題材に話し合った。

TCFは約1年にわたり、歌やダンス、演劇など舞台芸術を通して多様性のある社会の面白さを伝えていく。日本財団常務理事の樺沢一朗さんは狙いについて「五輪・パラリンピックのある2020年を契機に、誰も取り残されないインクルーシブ(包摂的)な社会の実現に向けた意識改革をしたい」と説明した。


石川 勝之さん

討論を前に、ブレークダンサーで、日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス部長の石川勝之さんら8人がダンスを披露。聴覚などに障害のあるダンサーも参加した。TCFでも障害のある海外のダンサーと共演した石川さんは「ブレークダンスには言葉も宗教も障害も関係ない。男でも女でも自己アピールが大事で、本気が伝われば認め合う」と訴えた。

登壇したダンサーたちは、ダンサーにとって障害はそれぞれの個性で、魅力になると語った。樺沢さんは、「社会も、この舞台のように、みんながそれぞれの特徴を発揮できる『まぜこぜの社会』になればいい」。ダンスパフォーマンスを手話通訳した元ろう学校教諭の橋本一郎さんは、「まぜこぜの社会のためには手話や字幕、外国語などで情報保障することが大事だが、やはり一番は対話。ちょっとした疑問も放置せず、話し合うことで人はつながっていける」と話した。


樺沢さんは「この1年が多数派の意識を変える唯一の機会。心のバリアフリーを広げるために、ただのお祭りにしない仕掛けをしていく」と強調した。

コーディネーターから

2020年を前に、障害のあるスポーツ選手や芸術家のパフォーマンスに触れる機会が増えている。ただそれを「すごいね」と楽しむだけでは、その価値は深まらない。

耳の聞こえない生徒にダンスを教えた石川さん。なかなか周囲に溶け込めない生徒を前に、まず「もし自分も聞こえなかったら」と考えたという。コミュニケーション方法を工夫し、同じ舞台に立つという夢を20年をかけてかなえた。障害も性別も、言語も宗教も、違いを壁にしないための第一歩は、「もし私だったら」と自分事として思いをはせることだ。違いを知る小さな一歩も歩み寄りが重なれば、誰もが自分らしく生きられる社会につながるだろう。(コーディネーター・斉藤寛子)

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