パネル討論
「社会の課題と企業の役割」パネリスト 
パナソニック ブランドコミュニケーション本部 CSR・社会文化部 部長 福田 里香
伊藤園 常務執行役員 CSR推進部長 笹谷 秀光
日本総合研究所 創発戦略センター マネジャー 村上 芽
コーディネーター 朝日新聞編集委員 多賀谷 克彦

笹谷 秀光 さん

笹谷 秀光 さん

福田 里香 さん

福田 里香 さん

企業が目先の利益を超えて、社会と関わることへの期待が高まる。「社会の課題と企業の役割」では、先進的な企業の代表者らが、こうした取り組みが企業と社会それぞれにもたらす可能性について話し合った。

日本総合研究所の村上芽(めぐむ)マネジャーは、企業活動によって生じるマイナスの部分を国などが補ってきた伝統的な図式が、21世紀に入って地球規模の問題が大きくなる中で変化したと指摘。少子高齢化や地球温暖化などには、国だけではなく企業も一緒になって解決する必要があるとした。

村上さんは環境・社会・ガバナンスに配慮して経営を行う「ESG」、企業が競争力を高めつつ社会課題解決に貢献する「CSV」について説明。さらに、持続可能な開発目標「SDGs」で、役割を果たせる分野が示されたことで「産業界には大きな期待が寄せられている。様々な場面で貢献できるはず」と話した。


村上 芽 さん

伊藤園の笹谷秀光常務執行役員が紹介したのが、九州5県の耕作放棄地約400ヘクタールの土地で茶葉を生産する自社の取り組みだ。地元の農家の経営安定や、耕作放棄地問題の解決につながると、英訳もしてPRし、外国誌に取り上げられた。「伊藤園はお茶で世界を笑顔にする“communitea”をめざしています」

パナソニックの福田里香CSR・社会文化部長は、2013年から取り組む「ソーラーランタン10万台プロジェクト」について話した。電気が届かない途上国の地域に太陽光発電でともせるランタンを届け、地元の人たちが夜間でも副業や勉強ができるようになる道を開いたという。

プロジェクトでブランドの認知度が上がり、流通網の拡大につながるなど「本業」への効果も得られた。福田さんは「創業者の松下幸之助が唱えた『企業は社会の公器』との考え方に基づき、今後も社会の課題に取り組みたい」と述べた。


コーディネーターから

枠組み超え課題解決を

企業に求められる役割が変わろうとしている。

これまでは商品やサービスの製造、販売を通して、消費者の生活を豊かにすることだった。あるいは、働く場をつくることだった。今、期待されていることはそれよりも広いテーマだ。環境、貧困、健康……SDGsと重なるこれらの課題は行政、NPO、企業など、一つの組織だけでは解決できない。それぞれが持つ機能をつなぎ合わせることが欠かせない。

演壇から、多くの若い世代が熱心にメモをとる姿を見た。彼らが企業を見る参考になれば、と願いたい。

(編集委員・多賀谷克彦)

講演動画

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