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夢の実現、その先は ホンダFCXクラリティに公道試乗

2009年1月30日

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写真航続距離や出力、水素、電池残量などのメーター

写真サイドからリアのビューが美しい

写真ホンダFCXクラリティ

写真広い室内空間。
とくに足元の広さが「ゆったり感」を生む

写真大きな採光面積で室内は明るく広々。見通しは良い

 エコカー技術の「究極」ともいわれる水素燃料電池車が、ついに街を走り始めた。ホンダが「FCXクラリティ」の量産・リース販売に踏み切ったのだ。3年間で200台を生産する計画で、すでに日米で納車が始まっている。ホンダのF1撤退と時を同じくして誕生したクラリティ。製造コストやインフラ普及など多くの課題が残る中で、自動車の未来像を世に問うホンダからの挑戦状でもある。今回、編集部ではクラリティを1日借り受け、都内近郊を試乗した。(アサヒ・コム編集部 藤坂樹理)

※Q&A クラリティってどんなクルマ? ※フォトギャラリー

 運転席から見たインパネは、今までのどのクルマにも似ていなかった。キーを挿してスタートボタンを押すと、「Ready to Drive」の文字が立体的に浮かび上がる。円形のメーター類は、外周に出力と水素残量を青色で、バッテリー充電状況を緑色で表示し、内側の扇形の部分には、バッテリー残量を示す緑色のインジケーターがある。中心には水素の瞬間消費量を示す風船のような物体が見え、走行に合わせて風船が膨らんだり色が変わったりする。プリウスなど最近のハイブリッド車のインパネを、ずっと未来形にするとこうなる、という印象だが、随所に「遊び心」が感じられ、見ていて退屈しない。

 東京・青山のホンダ本社を出て、西麻布から六本木へ。とにかく無音である。繁華街のざわめきが、室内からよく聞こえる。ハイブリッド車も停止時は無音だが、走り出すとエンジンがかかって普通のクルマになってしまう。発進はモーターらしく直線的で力強く、中速域までの加速は申し分ない。音も振動もほとんどなく、フランスの高級車にも似た「ふわふわ感」があった。

 外観のデザインは、過去の東京モーターショーに出展されたモデル(FCXコンセプト)から比べると、おとなしいカタチになった。フロントは昨秋発表された新型オデッセイとよく似ている。クラリティのボディは専用設計というから、オデッセイの方がマネしたともいえそうだが、少し損をしてしまった感はある。クラリティを購入する企業ユーザーは、その環境への取り組みをアピールしたいという動機で購入するのだろうから、外見のアピール度が弱まったのはマイナスだろう。とはいえ、サイドやリアのビューは十分に美しく、オデッセイよりもずっと未来的だ。

 室内は広々として、明るい色で統一された内装とともに開放感に満ちている。広いウインドウは見通しがよく、都心の混雑した道路や首都高で実に運転しやすい。全長4845ミリ、全幅1845ミリはオデッセイよりそれぞれ45ミリ大きいのだが、むしろ一回り小さいクルマを操縦している感覚をおぼえる。さすがに高速域の伸びは今ひとつだが、力不足を感じることはない。

 考えてみれば、こんなふうに普通のクルマのインプレッションを語る感覚で語れてしまうこと自体、驚くべきことである。水素と酸素を反応させて走る――そんなクルマで街中をドライブする夢が、実現しつつある。「でもこれは、夢の完成というより夢の始まり。ずっと将来までクルマを楽しく使ってほしいし、わくわくドキドキしてほしい」(開発責任者である藤本幸人・本田技術研究所上席研究員)。

【ホンダFCXクラリティ】
全長×全幅×全高:4,845×1,845×1,470mm、車両重量:1,630kg、定員:4名、トランク容量:457L(サブトランク含む)、動力:燃料電池(固体高分子膜型)、最高出力:100kW(136ps)、最大トルク:256Nm(26.1kgm)、最高速度:160km/h、航続距離:620km(10・15モード走行)、駆動方式:前輪駆動、タイヤ:215/60R16、燃料:圧縮水素ガス(35MPa=350気圧)、タンク容量:171L、リース販売価格:80万円/月

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