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エコカーライフ

Q&A 燃料電池車「クラリティ」ってどんなクルマ?

2009年1月30日

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写真拡大センターコンソール(写真手前中央)に置かれた燃料電池。
上部はドリンクホルダーと小物入れで、
一見これが電池とは分からない

写真拡大田園風景の中でも違和感がない

写真拡大モーターなどのパワーユニットはコンパクト。
フロントノーズの短さが広い室内空間を実現した

写真拡大パワーゲージや水素残量など特徴的なメーター

写真拡大サイドからリアのビューが美しい

 ホンダがついに量産を始めた燃料電池車「FCXクラリティ」。いったい、どんなクルマなの――? 燃料電池の仕組みやクラリティの魅力について、Q&A方式でまとめてみました。(アサヒ・コム編集部 藤坂樹理)

 ※クラリティ試乗記 ※フォトギャラリー

 Q:そもそも燃料電池車ってなに?

 A:燃料の水素を空気中の酸素と反応させて発電し、モーターを回して走る自動車です。「電池」というより「発電機」と言った方が近いかもしれません。資源に限りがある化石燃料を使わず、排出するのも水だけで、CO2(二酸化炭素)などのガスを一切出さないクリーンで効率のよいエネルギーとされています。燃料にはメタノールなども使われますが、水素が主流になりつつあります。

 Q:お値段は高いの?

 A:燃料電池車の課題の一つは、製造コストの高さです。クラリティはリース販売ですが、「もし値段をつければ軽く1億円」といわれます。日本でのリース価格は月80万円で、企業や官公庁をユーザーに想定しているようです。3年間で200台というのはまだ本格的な大量生産とはいえず、普及が進めば価格は下がると考えられています。

 Q:だれが買っているの?

 A:日本では今のところ環境省に納車された1台だけですが、米国ではリース価格が月600ドル(約5万4000円)と安く、これまでに3台が納車され、ハリウッド女優などいずれも個人ユーザーが乗っています。東京都心の駐車場代並みと考えれば、意外に安い?

 Q:電気自動車より優れているの?

 A:電気自動車の弱点は、航続距離の短さと充電時間の長さです。クラリティは1度の燃料補給で620キロ(10・15モード)走行でき、燃料補給にかかる時間もわずか数分で、ガソリン車とあまり変わりません。一方、最大の問題は水素ステーションの少なさで、全国に12カ所しかありません。家庭の電源で充電できる電気自動車や、ガソリンスタンドを使えるハイブリッド車とは比較になりません。

 Q:水素ステーションは増えるの?

 A:経済産業省などが音頭を取って普及を進めていて、石油会社やガス会社が実証プロジェクトに参加していますが、なにせ燃料電池車が少ないので、エネルギー業界には「まずクルマが普及しないとステーション整備も進まない」という声があります。自動車業界は「ステーションが整備されればクルマも普及する」といい、ニワトリと卵のような関係です。そんな中でホンダが量産に踏み切ったのは大きな決断といえそうです。一方、米カリフォルニア州は2010年までに水素ステーション200カ所を整備する計画です。

 Q:ところで水素のお値段は?

 A:日本では今のところ価格のつけようがない状態ですが、米国では1キログラムあたり4.99ドル〜10ドル程度(ホンダ認可の水素ステーション)で供給されています。編集部のクラリティ試乗では、118キロ走って水素消費は1.28キログラムでした。あえて単純計算すれば、100キロ走るのに500円〜1000円で、ガソリン1リットルを100円と仮定して、リッター10キロから20キロの燃費に相当します。

 Q:ところで燃料電池はいつ登場したの?

 A:1960年代にNASAが宇宙船の電源として実用化したのが始まりといわれています。現在でもスペースシャトルには燃料電池が使われています。自動車では、94年に独ダイムラー・ベンツが世界に先がけて発表しました。ホンダも99年に燃料電池実験車「FCX−V1」を発表しています。

 Q:クラリティは従来のモデルとどう違うの?

 A:燃料電池を小型化し、広々とした室内を実現したのが特徴です。クラリティの燃料電池(VフローFCスタック)は、素材や構造の改良により、99年当時の電池と比べて容積は134リットルから52リットルに、重さは202キロから67キロへと、軽量・コンパクトになりました。一方で出力は60kWから100kWにアップしています。その結果、室内は広く、静かでパワフルな高級車テイストのエコカーが誕生しました。

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