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発電所できて絶滅?クニマス捜して 秋田・田沢湖町が賞金100万円

[掲載] 1996年2月8日

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 日本一深い秋田県・田沢湖(最深423メートル)にかつて生息した特産の淡水魚「クニマス」を、地元の田沢湖町観光協会が100万円の懸賞金付きで捜している。太平洋戦争の前に、水力発電所建設のあおりで絶滅したとされるが、当時、クニマスの受精卵が全国各地の湖沼に送られた形跡があるという。協会は「地形が似た湖などに子孫がいるかも知れない」と、「幻の魚」への思いを募らせており、見つかれば田沢湖に放流し、湖のシンボルにするつもりだ。

 協会などによると、田沢湖のクニマス漁の記録は江戸時代から残る。1935年には約8万8千匹の漁獲高があった。「クニマス一匹、米一升」といわれた白身の高級魚で、産後の女性や病人に重宝がられた。

 しかし、湖水を利用した水力発電所が40年に造られて、様子が一変した。水量確保のために、周辺の川水を湖に引いたところ、温泉の強酸性水が流れ込み、魚がすめなくなったという。

 かつてクニマス漁をした湖畔の三浦久兵衛さん(74)によると、絶滅を心配した漁師らは当時、山梨県の本栖湖、西湖のほか、滋賀県の琵琶湖など各地の湖や沼に受精卵を送ったという。

 田沢湖は90年に酸性水の中和施設ができ、魚がすめるようになった。ウグイなどが増えているという。協会の鬼川頼男専務は「クニマスをぜひとも見つけて、湖を昔の姿に戻したい」と話している。問い合わせ先は同協会(0187―43―0307)。

  ◇

 <クニマス> サケ科で、体長は平均20センチ余。ヒメマスに似ているが、色が黒っぽく、斑点(はんてん)がないのが特徴。産卵期以外は水深100メートルより深いところで生息していた、という。「陸封魚」で、ベニザケが川から田沢湖に入って閉じこめられ、変化した、といわれている。

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