【奈良山雅俊】学者や北海道の地元自治体、観光団体などでつくる知床自然遺産地域適正利用・エコツーリズム検討会議(事務局、環境省など)が1日、羅臼町で開かれ、ヒグマへの正しい知識やマナーの啓発を観光客らに呼びかける「ヒグマエサやり禁止キャンペーン」を今春から展開していくことを決めた。ロゴマークも披露され、啓発に幅広く利用していく。
啓発ロゴは道路標識の禁止マークにヒグマにリンゴを持つ手を差しのべるデザイン。これを印刷したマグネットステッカーやチラシをホテルなどの観光施設やバス、タクシー、レンタカーなどに掲示するほか、コンビニやレストランに協力を求め、弁当の包装紙や割り箸袋、紙ナプキンにもシールや印刷でロゴを入れていく予定だ。啓発用のDVD作成や道路の電光掲示板の利用も進めていく。
キャンペーンの開始はゴールデンウイーク前後の知床横断道路の開通日。観光客が増える6月下旬〜7月上旬は強化月間とし、世界遺産地域の入り口となる幌別地区で観光客の車を止めて啓発チラシを配る「ワンストップイベント」も企画している。実施期間は3年間で、キタキツネなど他の野生動物への餌やり防止効果も期待している。