【森治文】環境省は、有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)の無害化処理期限を、現行の2016年7月から27年3月へと大幅に延長する方針を決めた。40年前に製造や使用が禁じられた後も工場などに大量に保管され、処理が進まず問題になっている。同省は13日、期限を変更した政令改正案について市民からの意見募集を始めた。
PCBは絶縁油として蓄電器(コンデンサー)や変圧器(トランス)に多く使われたが、PCBが混入した食用油によるカネミ油症事件などが発生し、1972年に禁止された。
2001年にようやく特措法を制定し、04年に無害化処理を始めたものの、処理に手間取り、今春には期限より7年ほど遅れる見込みとなった。