16日の衆院解散で、「温室効果ガスの排出を2020年に90年比で25%減らす」との目標を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案が廃案になった。温暖化対策の現行計画は期限切れが今年度末に迫っている。このままでは日本の対策は法的な根拠や具体的な計画を失うことになりかねない。
「25%減」の目標は09年に民主党政権が打ち出し、10年に法案を国会に提出したが、野党との対立の中で継続審議が繰り返されてきた。福島の原発事故を受けて政権が「30年代に原発ゼロ」をめざす方針にかじを切ったことで、目標達成は事実上不可能になり、法案の扱いも最後まで調整がつかなかった。
今の温暖化対策は、08〜12年度を対象とする「京都議定書目標達成計画」に沿って進められてきた。来年度以降については、政府は温暖化対策基本法に基づいて新計画を作ることを想定してきたが、廃案で見通しが立たなくなった。