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2011年11月28日
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2012年度大学入試センター試験
試験日:2012年1月14日・15日

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私立歯科大、納付金値下げ合戦 学生確保へ半値も

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写真:松本歯科大:歯学部の実習授業=長野県塩尻市の松本歯科大拡大歯学部の実習授業=長野県塩尻市の松本歯科大

グラフ:志願者数と松本歯科大の納付金:志願者数と松本歯科大の納付金拡大志願者数と松本歯科大の納付金

 「高額」のイメージが強い私立の歯科系大学で、授業料など納付金の大幅な引き下げが相次いでいる。ここ数年、入学者数の低迷が続き、各大学は「値下げ合戦」に勝ち抜いて優秀な学生を確保しようと懸命だ。

 私立の歯科系大学は全国に17校ある。日本私立歯科大学協会によると、在学する6年間に学生が納める平均額は、2011年度で約2900万円。07、08年度の約3300万円から1割以上減った。値下げが本格化したのは、3校が引き下げた10年度の入試から。11年度は8校が引き下げ、2千万円を切る大学も出てきた。12年度も3校が引き下げたという。

 松本歯科大(長野県塩尻市)は、値下げ幅が際立つ。08年度まで最も高い約5700万円を集めていたが、09年度に約5200万円、10年度に3200万円、12年度は一気に08年度の3分の1近い2048万円まで下げる。他校が納付金を下げて志願者数を増やしたのに倣ったという。値下げは、在校生には適用されない。

 同校では08年度、113人の募集人員に対し、入学者が前年度の半分以下の40人に落ち込んだ。その後も40人前後が続く。同校の幹部は「このままでは2〜3年で学生が来なくなるという危機感があった。これ以上下げる大学が出たら、もうついていけない」。

 入学者が募集人員の4分の1にあたる24人にまで減った奥羽大(福島県郡山市)は、11年度に納付金を550万円下げて2175万円にした。教育設備の整備が終わったためというが、担当者は「学生確保という側面もある」と話す。

 東京電力福島第一原発事故が、来年度の入学者数に影響する可能性もある。ただ、担当者は「教育の質を落とすわけにはいかない」と、これ以上の値下げには否定的だ。

 値下げの引き金は、学生数の深刻な落ち込みだ。08年度に志願者数が計1万人を割ると、09年度からは4千〜5千人台で推移。入学者も、11年度は17校中10校で募集人員を下回った。

 背景には、歯科医師の増加がある。98年には人口10万人あたり69.6人だったのが、08年は77.9人。「過剰論」も取りざたされ、国も各大学に定員見直しを求めている。一方で医学部の定員は、過去最多だった11年度の8923人からさらに増えるため、学生が流れたとみられている。

 日本私立歯科大学協会によると、授業で高額な医療機器や3千点にも及ぶ実習資材を使うこと、教員や職員の人件費の負担などから、納付金が高額になるという。同協会の安井利一副会長は「良い学生に入ってもらうためには、学校側の持ち出しもやむを得ない。教育の質は維持できる」と話す。

 教育情報会社「大学通信」(東京都)の安田賢治ゼネラルマネジャーは「国公立に比べ、私立の学費は高い印象だった。学生にとっては歓迎できる話だが、値下げして今まで通りの環境が保てるかどうか。そこがきちんと示されないと、学生側は不安では」と話している。(樫本淳)

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