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2012年1月14日
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2012年度大学入試センター試験
試験日:2012年1月14日・15日

東進提供記事

【分析速報】倫理

画像:倫理:イスラームの戒律と「十戒」とを対比イスラームの戒律と「十戒」とを対比

【全体概観】知識を端的に問う問題、読解力を要する問題に二極化
【難易度】やや難化

 大問構成は、青年期の課題、源流思想、日本思想、西洋近代思想、現代社会分野と例年と変わらず。しかし、第2問〜第4問にあったリード文の空欄問題がなくなった。知識を端的に問う問題と、選択肢文・資料文の読解を求める問題とに二極化し、ともに難易度が高まった。第3問の日本思想分野をはじめとして細かな知識を問う問題も多く、全体としてやや難化したと思われる。

【問題と解答】倫理

■設問別分析

【第1問】青年期の課題
 問1のグラフ読み取り問題は例年どおりであったが、条件文から具体的事例を判断する問題は出題されなかった。問3の性格類型に関する問題は細かな知識が要求され、戸惑った受験生が多かったのではないか。

【第2問】源流思想
 問1の古代ギリシア思想、問3のブッダによる苦の捉え方、問7のイエスによる罪についての考え方をはじめとして、深く確かな理解が求められた。長い選択肢文を読み切る読解力も必要とされた。問3は1999年度本試験第1問・問3と同一の問題であった。

【第3問】日本思想
 問4の阿弥陀仏の本願、問6の吉田松陰の思想など、やや細かな知識が要求された。なお、問3の資料文(本居宣長『鈴屋答問録』)は、2001年度本試験第3問・問5において現代語訳されたものが出題されている。問1は2003年度本試験第3問・問1と同一の問題であった。

【第4問】西洋近代思想
 単純に知識を問う問題が多かったが、機械論的自然観を批判した人物を訊ねた問4はやや難問。また、問7でフッサールが出題された。

【第5問】現代社会分野
 問2のクローン・遺伝子に関わる技術、問3の改正臓器移植法など、時事的な内容がストレートな形で出題された。問8の内容合致問題は選択肢文が長くなっており、読解力が求められる。

■新高3生へのアドバイス

 ◆センター倫理は「努力」が報われる

 センター倫理の問題は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会分野の時事問題と、出題形式もバラエティに富んでいます。ただし、奇をてらった難問などは見受けられません。基本事項をきちんと理解していれば、確実に正解できる良問ばかりです。

 そうした意味で、センター倫理は基礎力を重視していると言えるでしょう。そして、次のことは断言できます。倫理は「努力」が報われる科目です、「努力」が得点に直結します、と。1年間、それを信じて勉強に励んで下さい。

 ◆「読んで」理解することを心がける

 センター倫理の特徴として、「読解力の重視」ということが挙げられます。まず、選択肢が他の地歴・公民の科目と比べて長く、言葉を知っている・人名を知っているというだけでは対処できません。これは思想や宗教の基本的な内容の理解を問おうとする出題者の意図の表れと受け取れます。暗記に頼らず、思想・宗教の本質的な理解を深めていくことが求められているのです。

 そこですべきことは何か、文章を読んで理解するということを、つねに心がけて下さい。文章で理解していればこそ、選択肢の正誤もしっかりと判定できるのです。第一に、学校の教科書を腰をすえてじっくり読みましょう。第二に、用語集を使い、一つの一つの言葉の意味を確実に押さえていって下さい。

 ◆問題演習で実戦を重ねる

 自分では理解しているつもりなのに、問題になると選択肢の正誤がうまく判定できないという受験生の声を、毎年のように聞きます。センター倫理では、選択肢の文章をきちんと読んで解答することが求められているだけに、実戦演習が欠かせません。また、先に述べたとおり、バラエティに富んだ出題形式という点からも、早い時期から問題に数多くあたり、実戦を積み重ねることが必要です。

 東進のセンター試験本番レベル模試は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけて下さい。

■新高2生へのアドバイス

 ◆「基本重視」のセンター倫理

 センター倫理の問題は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会分野の時事問題と、出題形式もバラエティに富んでいます。ただし、奇をてらった難問などは見受けられません。基本事項をきちんと理解していれば、確実に正解できる良問ばかりです。

 そうした意味で、センター倫理は基礎力を重視していると言えるでしょう。2013年以降、出題形式に変化が加えられる可能性もありますが、「基本重視」という姿勢は変わらないと思います。選択肢文や資料文を読ませ、内容を判定させる問題が多いですので、2年生のうちから、教科書をじっくりと読んで、思想の大きな流れをつかんでおきたいところです。

 ◆倫理は「私」について考える科目です

 現行のセンター倫理は、「青年期」「源流思想」「日本思想」「西洋近代思想」「現代社会」の五つの分野からなります。特に、「青年期」が第1問で独立して出題されるようになり、第5問の「現代社会」と合わせて比重が高いことが特徴です。

 これは、倫理を〈今ここに生きる私〉に関わるものとして勉強してほしいという、出題者からのメッセージであると受け取れます。哲学も宗教も、自分の人生と無関係のものではありません。「私」とは何か、思想家や宗教家は誰でも、この問いを出発点としているのです。倫理には、単に試験科目であるというにとどまらず、大人になる前に考えてほしい内容が詰まっています。

 2年生のうちは、まだ受験という意識を持たず、自分でいろいろと考える習慣を身につけてほしい時期です。鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』(講談社現代新書)・池田晶子『14歳からの哲学』(トランスビュー)といった、若者向けに書かれた本を読むことをお勧めします。そうしたことが土台として、受験向けの勉強に必ず生きてきます。

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