ニューヨーク(NY)のママ仲間、明美ちゃんが、「まるで受験生の母親気分だったよ」と、ちょっと興奮気味に話してくれた。
1月10日、11日、12日の3日間、NY州の全公立エレメンタリースクール4年生を対象に、「ELA(English Language Arts)」という、英語の統一テストが行われたのだ。明美ちゃんちの息子は公立エレメンタリースクールの4年生なので、このテストの対象者。3月には算数のテストも同じように行われる予定で、この、英語と算数の統一テストの成績いかんで、次に行くミドルスクール(日本でいう中学校)の選択校がだいたい決まってしまうという。
毎年このテストの結果が出ると、成績順の学校ランキングが、ニューヨーク・タイムズやインターネットの市の教育関係サイトに発表される。
初めてこのランキング表を見たとき、「おー、NYでは公立小学校の成績ランキングが出るのかー」と驚いたが、ミドルスクールでも同じように統一テストがあり、同じくランキングが発表される。
そのミドルスクールのランキングと学校の方針、雰囲気を良く調べて、試験が必要なところ、面接だけでいいところ、エレメンタリースクールからの成績表と申込書だけでいいところなどの入学に関しての各校の条件をクリアし、晴れて、好みのミドルスクールに通えるようになるというわけなのだ。
明美ちゃんちの息子が通う学校は、現在NY市でもトップクラスの公立エレメンタリースクール。そこはミドルスクール(ここも市でトップクラス)まで続いているのだが、他のエレメンタリースクールの成績優秀者がここを狙って受験してくるので、付属の学生といえども、そのまま無条件に進学できるわけではなく、先の統一テストの成績いかんでは、入学試験さえ受けさせてもらえない可能性もあるのだそうだ。
そりゃもう、このテストを受けるにあたって、本人もさることながら親もドッキドキであったというのもわかるというものだ。
ちなみに、どんな英語のテストだったかを聞いてみた。
1日目(45分間)― 短い物語を読んで、内容に関する質問に、選択肢(四つ)の中から答えを選ぶ。
2日目(45分間)― 短い物語を読んで、内容に関する質問に文章で答える。
3日目(50分間)― 教師が読み上げる短い物語を2回聞いて(2回目はポイントをメモしてもよい)、内容に関する質問に文章で答える。その後、その物語のテーマと同じような自分の経験を、エッセーにまとめる。
ざっとこんな感じだったのだそうだ。
まさにうちの息子の学校の教師たちが口を揃(そろ)えて言っている、「内容をしっかり読み取り、リポートを書く力をつけさせる」ことに、どうやらアメリカの教育は力を注いでいるのだなあと思わせるに十分な感じのテストである。
(次週に続く)