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世界的な事件より大事なこと

2008年1月24日

  • 筆者 兵藤ゆき

 今回ニューヨーク(NY)に遊びに行くにあたって、息子は前もって仲良しの友だちに連絡をとり、いつ会えるかのスケジュールを組んでいた。

 なにしろ、滞在期間は6日しかない。

 その中でのスケジュール組は、なかなか大変だったようだ。

 丁度クリスマスシーズンだったので、みんな田舎のおばあちゃんちに行ったりするスケジュールが先に入っていたら、会いたい友だちにも会えないかも知れないと心配していた。

 が、NYの友だちたちも、せっかく日本から久しぶりに帰ってくるのだからと、スケジュールを調整してくれたという。

 結局、会いたい友だちには、全員会える手はずが整った。

 クリスマス・イブの昼間は、息子のプリ・キンダーガーデン(幼稚園の年中)からの親友、デレンの家に遊びに行って来たそうだ。

 アメリカの学校制度は、キンダーガーデン(日本で言う幼稚園の年長)から小学校が始まるという感じで、プリ・キンダーガーデンの頃に、次に行くキンダーガーデンを決めなければならない。

 息子とデレンは、キンダーガーデンは違うところに行くことになったのだが、ちょっとした休みがあると、お互いの家を行き来して、その後もよく遊んだ。

 デレンの家に行くと、お父さんのパットが毎回おいしい料理を作ってごちそうしてくれた。

 パットはイタリア系アメリカ人で、料理が得意だった彼のおじいちゃんから、小さい頃たくさんイタリア料理を教わったのだそうだ。

 大きくなってからは、自分で料理の本をたくさん読んで、独学で料理の腕をみがいていったのだという。

 キッチンには、分厚い料理の本が何冊も置いてあり、パットの努力のあとがうかがえた。

 彼は、パスタソースにしても市販のものを使うのではなく、トマトベースのソースなら、トマトを刻んでオリーブオイルで炒めてと、1から手作りする。

 NYの学校にも給食があるが、パットは、ハンバーガーやフライドポテト、チキンナゲットなどのファスト・フードのようなものがほとんどなので、栄養のバランスは家できちんととってあげないといけない、と思っているのだそうだ。

 オーガニックの野菜や肉を自分で吟味して買ってきて、夕食はできるだけパットが作るようにしているという。

 NYも少し前、大手のスーパーマーケットが天然物として売っていた魚が、実は養殖だったということが発覚し、騒ぎになった。

 「オーガニックとうたっていても、そうでないものもあるようなので、気をつけなければいけないよ。ホールフーズマーケットやユニオンスクエアーにやって来る青空市のオーガニックのものは、まず信用してもいいと思うよ」

 なんてこともよくパットに教えてもらった。

 奥さんのキャサリンも、料理はパットに任せておけば安心なの、なんて言っていた。

 パットは、世界的に有名な新聞社の記者なのに、ほとんど毎日晩ご飯を作っていると最初聞いたときは驚いたが、

 「子どもの食べるものは親の責任でしょ。新聞の記事は僕じゃなくても書けるけど、僕たちの子どもの食事は、僕が作るのが一番いいんだよ。おいしいって言ってくれるしね」とニッコリ笑って言う彼の言葉には、ものすごーく納得したのだった。

(次回に続く)

兵藤ゆき プロフィール

兵藤ゆき

兵藤ゆき(ひょうどう・ゆき)

名古屋市出身。血液型O型。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークにで11年余り生活。2007年に日本に帰国。

主な著書に、「子どもがのびのび育つ理由」(2008年4月 マガジンハウス)(対談集)「頑張りのつぼ」(05年7月 角川書店)…ニューヨークで活躍する日本人8人の方との書き下ろし対談集(宮本亜門・千住博・宮本やこ・野村尚宏・平久保仲人・河崎克彦・高橋克明・小池良介)、(翻訳本)「こどもを守る101の方法」(06年7月 ビジネス社)などがある。

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