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帰国後の学校選び(3)

2008年4月3日

  • 筆者 兵藤ゆき

 裕美ちゃん(前回参照)たちが住むことになった地域は学校選択制をとっていたので、彼女は近所の小学校を見て周り、彼女の娘と同じように海外からの帰国の子がいる学校を選んだのだそうだ。

 「それに近所に大使館がいくつかあるので、そこの関係者の子どもも来ているようで、クラスに一人は外国の子がいたのよ」

 裕美ちゃんは楽しそうに話してくれた。

 各学年2クラスずつで、1クラスの人数は30人前後なのだそうだ。

 「各学年の2クラスの教室は隣同士になっているんだけど、どちらの教室も一箇所アコーデオンカーテンになっているところがあって、そこを開けると、2クラスが大きな一つの教室になるのね。ときどきそこを開けて、2クラス合同で授業をすることもあるし、なんだか学校全体の雰囲気が明るくて、いい感じだったの」

 裕美ちゃんは続ける。

 「それに、教室は外で履いていた運動靴のまま入っていってもいいのね。いわゆる外履きと上履きの区別がないわけ。日本に帰ってくるときに聞いていた話で、NY(ニューヨーク)の学校は外も内も区別がないでしょ。それに慣れちゃってる子どもは、どうしても外履きのまま教室に入っていっちゃったりするんですって。大人からするとすぐに慣れるだろうと思いがちだけど、意外と子どもは戸惑っちゃうようよ。そんな自由な感じもあって、この学校だったらいいかなと娘にも相談して決めたんだ」

 学校へは、2年生の9月から編入ということだったが、夏休み中に新しい担任の先生から、ほかの子どもたちと同じ夏休みの宿題をもらって、休み中にしたのだそうだ。

 おかげで9月からの授業もちゃんとついていけたという。

 「NYにいるときはどうなることかと心配したけど、一安心よ。それにね、この学校では、社会科の授業でプレゼンテーションの練習に力を入れてるのもいいなあって思ってるのよ。5年生になってからなんだけど、クラスの子ども何人かでグループになって、ひとつのテーマを自分たちで調べ、みんなの前で発表するわけ。しっかり伝わらないと、先生からだめだしが出たりしてね、またやり直したりする場合もあるようよ。こういうの、アメリカではよくやってるでしょ。早いうちから人前で話す訓練って必要だと思うし、これを積極的にやってるのもいいなって思ってるんだ。あっ、あと、親が学校に行きやすい学校でもあるわね。担任の先生とも気軽に話ができるし、なんだかしょっちゅう他の親たちも学校に来てたりするのよ。子どもたちが学校で何をやってるのかよくわかるからいいよね。ただちょっと困るな、と思うのは、クラスの予定が早めにつかめないことかなあ。たとえば、遠足の日にちは決まってるけど、持っていくもののお知らせが遅いとかね。ま、30人の子どもを一人の担任の先生が見てるわけで、授業だ、宿題だ、とやることが多くて大変なんでしょうね。NYの場合は1クラスの人数も少ないし、副担任がついていたりするところもあるわけで、日本の小学校の先生はホント、大変だと思うわよ」

 それは私も同感だ。

 というわけで、なにはともあれ、裕美ちゃんの娘が元気に日本の小学校に通っているのはなによりのことである。

(次回に続く)

兵藤ゆき プロフィール

兵藤ゆき

兵藤ゆき(ひょうどう・ゆき)

名古屋市出身。血液型O型。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークにで11年余り生活。2007年に日本に帰国。

主な著書に、「子どもがのびのび育つ理由」(2008年4月 マガジンハウス)(対談集)「頑張りのつぼ」(05年7月 角川書店)…ニューヨークで活躍する日本人8人の方との書き下ろし対談集(宮本亜門・千住博・宮本やこ・野村尚宏・平久保仲人・河崎克彦・高橋克明・小池良介)、(翻訳本)「こどもを守る101の方法」(06年7月 ビジネス社)などがある。

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