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脳を育てるからだ遊び(4)

2008年12月18日

  • 筆者 兵藤ゆき

 飯田君(前回参照)が目の当たりにし、なんとかそれを改善してあげたいと思った問題。それは、小さい頃から外遊びを十分してこなかったことが原因の一つだと思われる、今の子どもたちが抱えている運動能力の問題だった。

 彼が試行錯誤しながら作り上げたボックスファイ(飯田君のジム)のオリジナルメニューで子どもたちをトレーニングしていくと、週1回来るだけの子でも徐々に運動能力の改善が見られていったという。

 ボックスファイに通って、数カ月でびっくりするくらいに子どもが変わったと言う親もいたそうだ。

 ここだけではなくて、たとえばサッカーチームに入っていたり、体操教室に通っていたりする子どもだと、そこでの動きなどにも成果が出て、前よりサッカーボールの扱いがうまくなったとか、前転後転ができるようになったなどの声もよく聞くそうだ。

 そして、今まで以上に集中してボールを追いかけたり、自分の体を上手にコントロールして動かすことができるようになったことにより、自分自身に自信がついたり、集中力が増したと自覚する子どもも増えたのだそうだ。

 自信がついたり、集中力が増すと、宿題をそれまでは親がやれやれと言わないとなかなかやらなかった子が、遊びから帰って来て宿題に取りかかるその切り替えがとてもよくなったり、机に向って宿題に取り組む姿勢もよくなってきたりしたそうだ。

 そうなると、おのずと勉強への意欲も増し、その成果も上向きになってくる。

 こんなふうに自分の体を自分で自由にコントロールできたり、眼の機能をいかんなく働かせることができるようになったりしたことによって、子どもたちはこんなにも生き生きと日常を送ることができるようになるのだということを、飯田君は目の当たりにしたという。

 本当は、赤ちゃんのころから体を動かして、子どもが楽しいと思える遊びを家でも外でもたくさんしてあげられたらそれが一番いいのだが、それができていなくて身体感覚が育つ実体験が極端に少ないと、実生活の中で、たとえば小さな石ころにつまずいてすぐ転んでしまったり、コップに入った水をよくこぼしてしまったり、水たまりや小山を跳び越えたりするときに失敗してしまったりすることにもつながるという。

 赤ちゃんの頃にハイハイや、歩くようになってからも体全体を使った遊びを外でいっぱいしている子は、自然に神経刺激をたくさん受けて、自分の体をコントロールする感覚や、これは自分で跳べるとか跳べないなどの身体感覚が育っていくのだが、それができなかったという場合は、今からでも、それがどれだけ子どもの成長にとって必要なことかということを、親や周りの大人がもう一度ちゃんと理解できたら、からだ遊びを今からでもたくさんしてあげたらいいと思う。

 それは、ファンシーボールでちょっと家の中でボール遊びをするだけでも子どもは喜んで遊ぶし、身体能力もビジョン能力(「脳を育てるからだ遊び(1)(2)参照)もそれにつれて伸びていくわけで、何も大げさに考える必要はないと飯田君は言う。

 日ごろ、ご飯の前とか、お風呂の前とか、ちょっと遊べばいい、くらいに思ってやったらいいわけだ。

 毎日ちょっとずつでも一緒に体を使った遊びを一緒にすると、子どもの運動能力もずいぶん変わってくるし、親子のコミュニケーションも深まるし、親もいい運動になる。

 飯田君と一緒に作った今回の本、「脳を育てるからだ遊び」(ビジネス社)は、そんなことを踏まえて、皆さんが子どもとからだ遊びをするときの参考になればと作ったものです。

 「眼」と「体」を遊びながら鍛えて、子どもの「元気UP」につながれば幸いです。

(次回に続く)

兵藤ゆき プロフィール

兵藤ゆき

兵藤ゆき(ひょうどう・ゆき)

名古屋市出身。血液型O型。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークにで11年余り生活。2007年に日本に帰国。

主な著書に、「子どもがのびのび育つ理由」(2008年4月 マガジンハウス)(対談集)「頑張りのつぼ」(05年7月 角川書店)…ニューヨークで活躍する日本人8人の方との書き下ろし対談集(宮本亜門・千住博・宮本やこ・野村尚宏・平久保仲人・河崎克彦・高橋克明・小池良介)、(翻訳本)「こどもを守る101の方法」(06年7月 ビジネス社)などがある。公式ブログは、「子育ての話を聞かせてください―I‘m proud of you―」

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