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ひとりで大掃除

2008年12月25日

  • 筆者 兵藤ゆき

 先週の土曜日から冬休みになった息子は、早速夫と一緒にニューヨーク(NY)に出かけて行った。

 それと入れ替わりに、NYの息子の友だち家族からクリスマスカードが届いた。

 あら、息子はむこうで彼らと会う約束をしていたはずなのにと、封を開けてみると、小さな雪の結晶の形をした真っ白な紙がはらはらと落ちてきた。

 カードには、メッセージとともに彼らの写真が添えられてあった。

 お父さんとお母さんの間に一人息子のニコラスが、ちょっと大人っぽい笑顔で写っている。

 ニコラスはうちの息子と同じ12歳。

 去年の夏に会ったきりだから、1年半振りに見るニコラスだ。

 そっか、ずいぶんお兄ちゃんになったなあ。

 ちょっと会わないと、子どもはずいぶん変わるものだなあ、としみじみ思う。

 いつも一緒にいる自分の子どもの変化はそんなに感じなくても、それこそたまに会う知人から、

 「あら、ずいぶんお兄ちゃんになったねえ」などと言われると、

 「あら、そう?」と、あらためて子どもを見て、そう言われれば背もずいぶん伸びたなあと思ったりする。

 やっぱり子どもは日々成長しているのだ。

 体とともに心も成長している。

 夫とNYに出かけて行った息子は、駅で別れるとき、

 「母さん、大丈夫?」

 「今回はすぐに帰ってくるからね」と私を抱きしめ、優しく微笑んで言った。

 なんて大人っぽいことを言うようになったんだろう、我が息子を見つめながらそう思った。

 今回、私がNYへ一緒に行かなかったことや、息子が、すぐに帰って来るからね、と言ったのには、実はちょっとした訳がある。

 息子と夫は、暮れも押し詰まった29日の夕方には日本に帰って来るのだが、そのときにNYからお客さんを連れて来るのだ。

 前出のニコラスではないのだが、彼と同じく、息子のNYの学校で同級生だったアレックスが、冬休みを利用して両親と共にやって来て、みんなで我が家に10日ほど滞在していく予定なのだ。

 NYにいる頃、アレックスはよくNYの我が家にも遊びに来た。

 彼は私が作ったおにぎりやカレー、ラーメンなどが大好きで、いつもパクパクおいしそうに食べてくれた。

 息子が読んでいた日本の漫画も大好きで、「遊戯王」はもとより、「NARUTO」、「ONE PIECE」など、英語版に翻訳されたこれらの本を愛読していたし、息子が持っている日本語版も我が家に来ると見たりしていた。

 そのうちちゃんと日本語も読めるようになりたいと、少しずつ日本語の勉強も始めていたし、いつかきっと日本に遊びに行くからね、とよく言っていた。

 彼の両親も思いは同じだった。

 今回その夢を実現して、みんなで日本にやって来るというわけなのである。

 私はそんな彼らを待ち構えるべく、日本に残ったというわけだ。

 彼らは日本の一番新しいところと、一番古い所を訪ねてみたいという。

 それは、東京と京都なんだそうだ。

 彼らが来ている間、私たち家族はツアーコンダクターとなって希望に添えるようなところをいろいろ案内しようと思っている。

 さあ、今年の年末年始はちょっと面白いぞー、と今からわくわくしながらひとりで大掃除をしている私である。

 というわけで、今年もご愛読いただきありがとうございました。

 今年は今回が最後で、来年は1月8日からスタートします。

 この回で199回目、新年は200回目からのスタートとなるわけです。

 切りの良いスタートで、心新たにまた楽しいエッセーをお送りできるよう精進いたします。

 来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 皆様、良いお年をお迎えください。

(来年に続く)

兵藤ゆき プロフィール

兵藤ゆき

兵藤ゆき(ひょうどう・ゆき)

名古屋市出身。血液型O型。東京・名古屋・大阪で深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに個性的なキャラクターでテレビ番組に登場し、その後エッセー、脚本、作詞、歌手、小説等ジャンルを超えて幅広く活躍。1996年に長男誕生後、ニューヨークにで11年余り生活。2007年に日本に帰国。

主な著書に、「子どもがのびのび育つ理由」(2008年4月 マガジンハウス)(対談集)「頑張りのつぼ」(05年7月 角川書店)…ニューヨークで活躍する日本人8人の方との書き下ろし対談集(宮本亜門・千住博・宮本やこ・野村尚宏・平久保仲人・河崎克彦・高橋克明・小池良介)、(翻訳本)「こどもを守る101の方法」(06年7月 ビジネス社)などがある。公式ブログは、「子育ての話を聞かせてください―I‘m proud of you―」

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