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2012年3月31日11時19分
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熊本の赤ちゃんポスト 利用実態など報告 市の専門部会

 親が育てられない子どもを匿名で預かる慈恵病院(熊本市)の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」について、医師や有識者らで作る同市の専門部会は29日、利用実態や問題点を報告書にまとめ、公表した。留学や仕事を理由とした安易な利用があったとする一方、子どもが出自を知る権利を保障するため、親の実名化を前提とした預け入れ方法の検討を求めている。

 ゆりかごをめぐっては、熊本県の検証会議が2007年5月の開設から09年9月末までの実態をまとめている。専門部会はその後から昨年9月まで2年間の状況を中心に検証した。

 報告書によると、開設から昨年9月までの約4年半に預けられた子は男子40人、女子41人の計81人。主な検証期間とした2年間に預けられたのは男子12人、女子18人の計30人で、このうち26人の親がわかった。

 26人について預けた理由(複数回答)で最多だったのは「生活困窮」と「未婚」で各9人。だが、仕事や留学といった理由もあったとし、「不安や葛藤が見られない、自己都合による利用と見なされる事例が出ている」と安易な利用への懸念を示した。

 ゆりかごの匿名性については、「母子の緊急避難として機能している」と評価しながらも、子ども自身が出自を知る権利を考慮し、実名化を前提とした上で秘密を守る手法を検討する必要があるとした。

 安全性についての指摘もあった。へその緒を自分ではさみで切ってひもで縛ったり、車中で出産したりして預けに来た人もいたとし、「子どもの命に関わる事故が起きても不思議ではない事例が数多く見られた」とした。

 幸山政史・熊本市長は「安易な預け入れや安全性について(09年の県の検証会議より)厳しい評価と受け止めている。報告書をふまえ、病院と一緒に考えていきたい」と話した。

■「親のその後、追跡してない」病院側反論

 専門部会の発表を受け、ゆりかごを運営する慈恵病院の蓮田(はすだ)太二理事長らが29日、記者会見した。

 安易な預け入れがあったとの指摘については「留学を理由に預けた母親も思い直して自分で育てている。報告書では、その後の状況まで追跡されていない」と反論。子どもが出自を知る権利への懸念に関しても、「匿名だからこそ、ほかで相談できなかった人が預けに来られる。誰から生まれたかではなく、助かった命がどう幸せに育つかを検討してほしい」と話した。

 一方、預け入れまでの安全性については、「私たちだけでは限界がある。全国に駆け込めるような施設が何カ所かないと対応できない」と、ゆりかごの全国的な広がりを求めた。

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