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2012年3月29日15時28分
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避難9高校の66人転校へ サテライト集約「通学が困難」

図:避難高校から今春転校する生徒数拡大避難高校から今春転校する生徒数

 東京電力福島第一原発事故で避難している福島県立高校9校で、4月までに転校する生徒が66人にのぼることが、朝日新聞の集計でわかった。大半はサテライト校集約で「通学が困難になる」との理由で、女子寮が一般客と同じ旅館内に設置されたことで転校を決意したケースもあった。

 9校の多くは県内の複数の場所に代替施設であるサテライト校を設けてきた。だが、県教委は新年度から原則として1校1カ所に集約する方針を決定。このため、避難先近くのサテライト校を失う生徒は集約先近くに引っ越すか、母校をあきらめて転校するかの選択を迫られた。

 転校する生徒が多いのは小高工(21人)、浪江高(20人)、小高商(10人)、双葉翔陽(7人)など。いずれも既存のサテライト校と集約先との距離が大きく離れている。

 浪江高校のサテライト校は現在、二本松市(安達高校内)といわき市(好間高校内)の計2カ所。新年度には本宮市の仮設校舎に一本化される。転校する17人は、いわき市のサテライト校に通っていた生徒だ。

 浪江高は「集約に伴い教室数や選択授業が増えるメリットもあり、多くの生徒に残ってほしかった。遠距離でもあり(転校する)生徒らの選択もやむをえない」としている。

■一般客との「同居」が転校する一因に 旅館の女子寮

 福島県教委のサテライト校集約は、「通学困難」の生徒を多数生み出した。県教委は無料の宿泊施設(寮)を用意するが、避難している保護者や生徒の目線と同じとはいえない。

 女子寮の一部が旅館の一般客と「同居」する。居住環境の悪さが生徒や保護者から不評だ。家族と福島市に避難し、同市内にある原町高のサテライト校に通学していた女子生徒は、新年度から他県に転校する。

 サテライト校廃止で南相馬市に設けられる女子寮が、男性客が多く泊まる一般旅館の一部を利用すると知ったためだ。母親は「県にまで被災者が見放された思いがした」と落胆する。

 生徒用の寮が一般客と「同居」する例は、双葉、双葉翔陽、富岡の3校が共同利用するいわき市の二つの寮でも起きている。双葉翔陽高校でも、転校する女子生徒の一部は「同居」を理由としている。

 寮は1部屋に3人程度の生徒が共同生活をすることになる。個室でないことから、転校を決めた生徒もいるという。(渡辺康人)

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