ここから本文エリア 現在位置asahi.comトップ > 教育 > NIE > ののちゃんの自由研究 > 記事
〈ののちゃんの自由研究〉
朝日NIEスクール

危ない自転車許しません


図
※クリックすると拡大します

●昨年1年で846人が死亡

 自転車は通勤や通学の足のほか、スポーツやレジャーでも楽しめます。国内の自転車の保有台数は8664万7000台(自転車産業振興協会調べ)といわれ、国民の7割近くが自転車を持っている計算です。その台数は年々増え続け、50年前の5倍、30年前の2倍にもなりました。とくに、地方よりも首都圏(しゅとけん)などの都市部で自転車がよく乗られているようです。日本は年間900万台以上を輸入(ゆにゅう)し、逆に約100万台を輸出(ゆしゅつ)しています。

 台数が増加する一方、自転車による事故も深刻(しんこく)な問題になっています。

 自転車に乗っていて、事故で死んだり、けがをしたりした人は、この10年間で約5万人増え、昨年は約18万6000人にのぼりました。このうち死者は846人です。

 自転車が歩行者にぶつかる事故は昨年1年間に2576件あり、歩行者4人が亡くなっています。

 警察が自転車の関係する事故を調べたところ、7割が自転車側に違反があったそうです。

●悪質な違反なら裁判にかけ罰金

 安全でスムーズな交通ルールの基本を定めている法律(ほうりつ)を道路交通法といいます。自動車と異なり、自転車は「軽車両(けいしゃりょう)」と分類され、位置づけが異なります。

 たとえば、自動車は駐車違反(ちゅうしゃいはん)やスピード違反が警察官に見つかると反則金(はんそくきん)を納(おさ)めなければなりません。自転車は、この反則金制度の対象になっていません。

 しかし、厳しい取(と)り締(し)まりができないかというと、そうではありません。

 もともと自転車には、ひどい違反をすると裁判(さいばん)にかけられて罰金(ばっきん)を科(か)される「赤切符(あかきっぷ)」という制度があります。赤切符は、警察官が悪質自転車に示す紙がピンク色をしているのでこう呼ばれています。適用されると、刑事処分されます。

 しかし、警察は「自転車は摘発(てきはつ)するほどのことはない」という立場でした。だから、違反自転車を見つけても警察は、注意や警告する程度にとどめていたのです。

 ところが、悪質な自転車による事故が増えて、警察は今年4月から、これまでの方針を見直し、どんどん取り締まることに決めました。自転車が関連する事故は交通事故全体の2割を占め、自転車が歩行者をはねる事故が10年間で5倍近くにもなるなど事故が増え続けているからです。

 取り締まりの対象となるのは、警察官が何度注意しても従わない場合で、たとえば、▽子ども用の補助いすをつけずに2人乗りする▽傘(かさ)をさした状態で運転する▽夜間に点灯せずに繰り返し走ったりする▽歩道などで、歩行者に危険な速度で暴走する――などです。赤信号や一時停止を無視して、歩行者や自動車を危(あぶ)ない目にあわせた場合も想定しています。

 取り締まりを強化してからは、神奈川や大阪で警察官の制止を振り切って逃げようとした2人乗りの高校の女子生徒や、赤信号を無視して渡ろうとした会社員らが赤切符を切られるなど、全国各地で赤切符が適用されています。

●中高生向けルール指導

 警察は、交通ルールを守っていないのは、中高生が乗る自転車が多いことから、学校で交通安全教室を開くように協力したり、小さな子供を後部座席に乗せる際にはヘルメットを着用させるように呼びかけたりしています。

 交通事故は増加傾向が続き、政府は死者数を年間5500人以下にするとの目標を掲げています。そのためにも、警察は自転車の死亡事故を現在より2割以上減らす考えです。マナーやルールを守り、自転車に乗りましょう。

 (小幡淳一)

朝日新聞サービス

ここから広告です
広告終わり
∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.