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NIE「ののちゃんのDO科学」

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形態安定シャツの服の仕組みは?

名古屋市・幾井文華さん(10)からの質問

2007年09月26日

図  

 ◇ののちゃん お父(とう)さんが新(あたら)しいワイシャツを買(か)ってきたよ。「形態安定(けいたいあんてい)で洗濯(せんたく)も楽(らく)なんだ」と言(い)ってたけど、どんな意味(いみ)なの。

 ◆藤原先生 洗(あら)ってもしわになりにくく、形(かたち)が崩(くず)れにくいシャツよ。洗濯を繰(く)り返(かえ)しても新品(しんぴん)のときに近(ちか)い形が保(たも)たれるから、形態安定って呼(よ)ばれるの。形状記憶(けいじょうきおく)やノーアイロンと表示(ひょうじ)された製品(せいひん)もあるけど、同(おな)じ考(かんが)え方(かた)で作(つく)られたものよ。

 ◇ののちゃん ふうん。

 ◆藤原先生 ワイシャツの素材(そざい)には綿(めん)がよく使(つか)われるわ。汗(あせ)などの水分(すいぶん)をよく吸収(きゅうしゅう)するので着心地(きごこち)がいいのね。でも洗濯するとしわになりやすい性質(せいしつ)もあるのよ。

 ◇ののちゃん どうしてしわができるの。

 ◆藤原先生 綿の繊維(せんい)は、目(め)に見(み)えない小(ちい)さな細長(ほそなが)い分子(ぶんし)でできているの。分子どうしは緩(ゆる)やかに結(むす)びついて繊維の形を保っているのね。でも洗濯で繊維が水(みず)を吸(す)い込(こ)むと、結びつきがほどけてばらばらになるの。脱水(だっすい)などでくしゃくしゃになったまま乾(かわ)かすと、その形で分子が再(ふたた)び結びついて、しわが残(のこ)ってしまうのね。

 ◇ののちゃん なるほど。

 ◆藤原先生 形態安定シャツでは、分子どうしがしっかりと結びつくように加工(かこう)してあるの。生地(きじ)を薬品(やくひん)に浸(ひた)すなどして、分子の間(あいだ)に橋(はし)を架(か)けるような化学(かがく)反応(はんのう)を起(お)こさせるんだって。水を吸っても形が変(か)わりにくくなるわけね。折(お)り目をつけてから加工すれば、その形も保たれるそうよ。

 ◇ののちゃん 橋を増(ふ)やせば増やすほど、しわもできにくくなるのかな。

 ◆藤原先生 ええ。でも生地がもろくなり、破(やぶ)れやすくなるの。十分(じゅうぶん)な強(つよ)さを保ちつつ、変形(へんけい)しにくくする兼(か)ね合(あ)いが難(むずか)しいそうよ。

 ◇ののちゃん 形態安定は昔(むかし)からあったのかな。

 ◆藤原先生 登場(とうじょう)したのは93年よ。初(はじ)めのうちは綿だけで作るのが難しく、もともとしわになりにくい化学繊維を混(ま)ぜていたそうよ。でも技術(ぎじゅつ)の改良(かいりょう)で綿100%の製品もできるようになったの。最近(さいきん)のワイシャツは、ほとんどが形態安定になっているそうよ。

 ◇ののちゃん ずいぶん人気(にんき)なんだね。

 ◆藤原先生 アイロンがけが楽になったし、家庭(かてい)で簡単(かんたん)に洗濯できるからクリーニング代(だい)も節約(せつやく)できる。それから、綿には洗濯で縮(ちぢ)みやすい弱点(じゃくてん)もあるの。何回(なんかい)も洗うと袖(そで)が短(みじか)くなったりするの。形態安定にすると、ほとんど縮まなくなる効果(こうか)もあるんだって。

 ◇ののちゃん シャツのほかにも使われているの。

 ◆藤原先生 作業着(さぎょうぎ)やブラウス、帽子(ぼうし)、ハンカチなどが作られているそうよ。身(み)の回(まわ)りで探(さが)してみると、見つかるかもしれないわね。

(取材協力=東洋紡テキスタイル開発部・吉川雅敏さん、日清紡繊維事業本部・高森健彰さん、構成=谷口哲雄)

(朝日新聞社発行 9月23日付be)


◇調べてみよう

(1)家にある繊維製品のうち、綿でできているものはどれかな。それぞれ綿のどんな性質が生(い)かされているんだろう。 (2)自分(じぶん)の服(ふく)では綿のほかにどんな繊維が使われているかな。いろいろな繊維の特徴(とくちょう)を調(しら)べてみよう。

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