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NIE「ののちゃんのDO科学」

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モグラは外に出てくるの?

2007年12月05日

イラスト  

 ◇ののちゃん お庭(にわ)にモグラさんの穴(あな)があったよ。でも、姿(すがた)は見(み)ないなあ。

 ◆藤原先生 日本(にほん)では、東(ひがし)日本にいるアズマモグラと西(にし)日本にいるコウベモグラが代表的(だいひょうてき)ね。どちらも一生(いっしょう)のほとんどを地中(ちちゅう)ですごしていて、よほどのことがないかぎり地上(ちじょう)には出(で)てこないわ。出てくるとしても、昼間(ひるま)は暑(あつ)いから夜(よる)が多(おお)いんだって。ののちゃんは眠(ねむ)っているころね。

 ◇ののちゃん ずっと前(まえ)、モグラさんが死(し)んでいるのは見たことあるよ。

 ◆先生 モグラが地上に出てくるのは、大雨(おおあめ)で水(みず)びだしになったときか、子(こ)が成長(せいちょう)して親元(おやもと)を追(お)い出されたときぐらい。わが子さえ邪魔者(じゃまもの)あつかいするのは、縄張(なわば)り意識(いしき)が強(つよ)いからよ。子は別(べつ)の場所(ばしょ)に穴を掘(ほ)って自分(じぶん)の縄張りをつくるんだって。5月(がつ)から7月ごろね。死んだモグラをよくみかけるのもこのころよ。

 ◇ののちゃん なぜモグラさんは死んじゃうの?

 ◆先生 モグラの前脚(まえあし)は横(よこ)に突(つ)きだしていて、体(からだ)の大きさにぴったり合(あ)ったトンネルの中(なか)をすばやく移動(いどう)できるわ。そのかわり、地上では動(うご)きがとても鈍(にぶ)くて、犬(いぬ)や猫(ねこ)にねらわれやすいのよ。モグラにとって地上は危険(きけん)な場所(ばしょ)なのね。

 ◇ののちゃん えさはどうしてるのかなあ。

 ◆先生 おもに土(つち)の中のミミズを食(た)べていて、地上に出てえさを探(さが)さなくてもいいんだって。モグラは地表(ちひょう)から50センチほどの地中に、地表から引(ひ)きずりこんだ落(お)ち葉(ば)を敷(し)いて巣(す)をつくっているわ。巣につながるトンネルを深(ふか)さ20センチほどのところに掘って、1日(にち)に3〜4回(かい)ほどえさを探して動き回(まわ)っているの。畑(はたけ)にはミミズが多いから、モグラの穴もたくさんあるのよ。

 ◇ののちゃん 穴から顔(かお)を出すこともないの?

 ◆先生 落ち葉を引きずりこむときも、外をうろうろすることはないわ。せいぜい鼻先(はなさき)を出すくらいね。穴のまわりが盛(も)り上(あ)がっているのは、トンネルを掘ってじゃまになった土を外に出したからよ。

 ◇ののちゃん モグラさんを見てみたいなあ。

 ◆先生 モグラの穴のまわりで、トンネルがありそうな地面にガラス板(いた)を置(お)いてみて。トンネルが浅(あさ)いところをモグラが何度(なんど)も通(とお)ると土が崩(くず)れ、ガラスの下にモグラが見えるかも。

 ◇ののちゃん すごく運(うん)がよくないと……。

 ◆先生 モグラ科(か)のなかまでヒミズという動物(どうぶつ)がいるの。落ち葉の下にもぐりこんだり、モグラの穴に入りこんだりして、あまり穴は掘らないわ。森(もり)の中などにいて、えさ場(ば)を変(か)えようと地上に出て移動(いどう)することがあるから、森の中でじっと待っていたら見ることができるかもしれないわね。

 (取材協力=国立科学博物館動物研究部・川田伸一郎研究員、構成=本多昭彦)

(朝日新聞社発行 12月2日付be)


◇調べてみよう

(1)日本ではモグラがいない地域(ちいき)があるよ。どこだか調(しら)べてみよう。
(2)盛り土になったモグラの穴の近(ちか)くにはモグラのトンネルがあるので、掘って見てみよう。
(3)モグラとヒミズとでは、どのくらいしっぽの長(なが)さが違(ちが)うかな。

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