現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() ペットボトルの牛乳なぜないの?岡山県・道広銀兵さん(中1)ほかからの質問
◇ののちゃん こないだ銭湯(せんとう)でビン入(い)りの牛乳(ぎゅうにゅう)を飲(の)んだよ。 ◆藤原先生 あら、めずらしいわね。スーパーの牛乳は、ほとんどが紙(かみ)パックだものね。 ◇ののちゃん ぜんぶ飲みきれなくて少(すこ)し残(のこ)しちゃった。ふたがあれば持(も)って帰(かえ)れるのに。ペットボトルの牛乳はないの? ◆先生 国(くに)のきまりで、牛乳の容器(ようき)はビンや紙パックなどにかぎられていて、ずっとペットボトルを使(つか)えなかったの。牛乳の殺菌方法(さっきんほうほう)や容器の種類(しゅるい)にかんするきまりは、ほかの飲みものにくらべて厳(きび)しいわ。 ◇ののちゃん ほかの飲みものと、どこがちがうのかな? ◆先生 牛乳はお茶(ちゃ)やジュースのような清涼飲料水(せいりょういんりょうすい)より栄養分(えいようぶん)をたくさん含(ふく)んでいて、微生物(びせいぶつ)が増(ふ)えやすいの。一般的な方法では130度(ど)ぐらいで2秒(びょう)ほど加熱(かねつ)して、微生物をほぼ殺(ころ)してしまうわ。容器の中(なか)で微生物が増えないよう常(つね)に10度以下(いか)で保存(ほぞん)しなければならないのよ。 ◇ののちゃん お茶やジュースは殺菌しないの? ◆先生 ペットボトルの飲みものだと殺菌には4通(とお)りあって、一部(いちぶ)を除(のぞ)いて牛乳ほど厳しくないわ。ふたを開(あ)ける前(まえ)なら、直射日光(ちょくしゃにっこう)にあてなければ常温(じょうおん)で置(お)いておけるの。ふたを開けたら、なるべく早(はや)く飲んでね。 ◇ののちゃん 昔(むかし)はビンのジュースもあったんでしょ。 ◆先生 ペットボトルが清涼飲料水の容器として認(みと)められたのは82年(ねん)よ。牛乳は「容器のきまりを変(か)えてほしい」と国にお願(ねが)いしてこなかったの。 ◇ののちゃん ペットボトルだと微生物が増えちゃうから? ◆先生 ペットボトルの素材(そざい)はポリエチレンテレフタレートといって、牛乳の容器に使っても安全(あんぜん)よ。でも、ペットボトルにはふたがあるから、残した飲みものを常温のまま持ち歩(ある)くことがあるでしょ。牛乳がぬるくなっちゃうと微生物が増えるおそれもあるから、ペットボトルで持ち歩くのはよくないって考(かんが)えられていたの。 ◇ののちゃん じゃあペットボトルの牛乳はダメなのね。 ◆先生 いいえ。メーカーなどの団体(だんたい)が国にお願いして、去年(きょねん)の終(お)わりにペットボトルの牛乳が認められたそうよ。牛乳は消費量(しょうひりょう)が減(へ)って、02年にお茶にトップを奪(うば)われたの。ペットボトルの牛乳を売(う)り出(だ)すことで、よりたくさんの人(ひと)たちに飲んでもらいたいと考えたわけね。 ◇ののちゃん 飲み残しを持ち歩いてだいじょうぶなの? ◆先生 500ミリリットルのボトルだと、一度(いちど)に飲みきれないこともあるでしょ。だから、350ミリリットル以下の小さなサイズと、家庭用(かていよう)として720ミリリットル以上の大(おお)きなサイズで売りたいんだって。でも、まだつくられてはいないわ。 ◇ののちゃん どうして? せっかく認められたのに。 ◆先生 ペットボトルは、紙の容器の3倍(ばい)もお金(かね)がかかるらしいわ。それに、ペットボトルに牛乳を入(い)れる機械(きかい)を牛乳メーカーが用意(ようい)するのに何十億円(なんじゅうおくえん)もかかるそうよ。ペットボトルの牛乳が売り出されるまで、まだ時間(じかん)がかかるかもしれないわね。 (取材協力=日本乳業協会生産技術部長・松崎勝さん、キリンビバレッジロジスティクス本部技術部担当部長・東貴夫さん、構成=小林舞子)
(朝日新聞社発行 3月2日付be)
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