1.「青い瞳は動かなかった、世界はまだみな眠ってゐた、さうして『その時』は過ぎつつあつた、あゝ遐(とほ)い遐いい話。青い瞳は動かなかつた、―いまは動いてゐるかもしれない……青い瞳は動かなかつた、いたいたしくて美しかった!」(中原中也「在りし日の歌〜青い瞳」より)
人の目は神秘的です。喜怒哀楽がよく表れるのが目ですね。同じ目なのに青い目、茶色い目、黒い目いろいろありますね。二重と一重のまぶたから、今回は目についてDO科学しましょう。
2.ワークシートのポイント
(1)カメラで写真を撮るのに似ている
目でものを見る仕組みは、カメラで写真を撮るのに似ています。カメラでシャッターボタンを押した瞬間に光がレンズを通り、フィルムに像として焼付けられます。レンズとフィルムにあたるのが目ですが、脳はフィルムを現像して写真にしているといえます。
(2)まぶたは目を覆うための皮膚のひだ
目は眼球と視神経とまぶたや涙腺などの眼球付属器から成り立っています。まぶたは、上まぶたと下まぶたから成り、眼球を保護しています。
まぶたを反射的に閉じるのはどんな時でしょうか。
外から塵(ちり)や異物が入ってきそうな時、まばたきをして目を守ります。
(3)生きるために欠かせない動物の目
フクロウの目は夜になるとよく光ります。猫の目も同じで、入ってくる光が少なくても鏡のようなしくみで目の中で反射させているため、暗い夜でも活動できるのです。カエルの目は動いているものだけが見えます。複眼であるトンボの目は、約3万の小さな目が集まってできています。特別な目は飾りではなく、それぞれが生きていくために必要なものです。
(4)たくさんある体に関する語を使った慣用句
慣用句は「二つ以上の語が固定的に結びついて独自の意味をあらわすもの」(『新選国語辞典』小学館)のことです。「目が高い」(鑑識眼が優れている)「目に入れても痛くない」(かわいくてたまらない)「目を光らせる」(監視する)などたくさんありますね。知るだけでなく、自在に使えるようにしましょう。
3.発展学習として
人間の目のしくみについて調べてみましょう。人間の目は夜行性の動物とは違い、暗闇ではものを見ることができませんね。でも夜更かしをしたりして、目を休ませないでいることはありませんか。現代人を取りまく環境はテレビやパソコンなど、決して目にはよくないものがたくさんあります。このページも目を使って読んでいるわけですね。目の健康について考えましょう。
「白眼視」など目に関わることばを集めてみるのも面白いですね。よくものが見えるようになるでしょう。
(大阪市立天王寺中学校・植田 恭子)