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乃木坂46 よのなか科授業(1時間目) |
学校での勉強には「正解」がある。けれど世の中の多くの問題にはそれがない。だから、アイドルグループ「乃木坂46」は「よのなか科」の門をたたいた。主宰する藤原和博先生のもと、メンバーたちはこの1年間、新聞に載った意見を手がかりに、社会について学び続ける。未来を生き抜く力を身につけるために。
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「人に迷惑をかけなければ髪を染めたっていいじゃない……。この意見に賛成の人、どれくらいいる?」
「声」欄の投書を示してこう質問した藤原に、乃木坂46のほとんどのメンバーが手を挙げた。
「自由がいいに決まってる。でも、自由だけでいいのかな?」。こう投げかけられて、メンバーたちはきょとん。「よのなか科」の授業はこうして始まった。
ちょっと遠い政治について、リアルに考えたい。そのため藤原は、身近なルールである「学校の校則」を教材にした。民主主義の根本にある「自由と責任」について学ぶのが狙いだ。
「これはおかしいと思った校則って、あった?」
「スカートは折ってはいてはいけないとか、髪が肩にかかったら結ばなきゃいけないとか……」。指名され、斎藤ちはるが答えた。
「うん。校則はどこにでもあるよね。厳しいかどうかは別として。なんで校則はあるんだろう。先生の立場で考えてみて」
「学校のブランドを守るため?」と中田花奈。伊藤万理華は「ルールを守ることを学ばせるためかな?」と考えた。
「じゃあ、おかしいと思った校則はどうすればいい?」。藤原は重ねて問う。
考えた結果は「なんとかして変えさせる」が約2割。「従う」が約7割。
伊藤寧々が「従う」とした理由は「先生に反論したって変えられない」から。能條愛未も同じ考えだ。
ここで藤原は、ある事実を指摘した。「1980年代には、公立中の3分の1で男子は丸刈りと定めた校則があった。それが今はほとんどなくなっているんだ」。校則って変えられるの? では、どう変える?
■違う立場からも
「もういちど投書の意見を考えてみよう。班ごとのディベートで。ただし半分の人には『反対派』、つまり『この校則は必要だ』という立場になってもらいます。校長先生の立場だね」
「えーっ」
自分の意見とは違う立場に立たされるメンバーからは、戸惑いの声が漏れる。やがて、彼女たちは遠慮がちに口を開き出した。
「先生だって髪染めたりしてるじゃん。子どもだけダメっていうのもね」と、生駒里奈は言う。
衛藤美彩は「スカートを短くして変な人に絡まれたことがあるからね、私。子どもの頃にいやな思いをした大人が、生徒の安全を考えてルールを作った面もあるんじゃないのかな」。
「安全のため?」
校則が生徒を守っている……? 「賛成派」の考えが、揺らぎ始めた。
11月17日(日)、全国の会場で実施。チャレンジ問題を掲載中!