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絵本の読み聞かせ 「心の脳」に働きかける

2008年12月17日

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写真お気に入りの絵本「チリとチリリ」を読む大野さん親子=東京都豊島区、高波淳撮影

 小さな子どもに絵本の読み聞かせをしている家庭は多いだろう。「字を覚えてくれれば」「想像力が育てば」と、いろんな期待を抱いているかもしれない。

 読み聞かせをすると、思考・感情のコントロールやコミュニケーションをつかさどる「前頭前野」が活性化するのではないか――。日本大学の泰羅雅登教授(神経科学)と白百合大学、日本公文教育研究会らの研究チームはそんな仮説をたて、科学的な検証を試みた。5〜10歳の子ども14人と、その母親8人を対象に、読み聞かせをしているときの脳を調べたところ、母親の前頭前野が活発に働いているのに、意外にも子どもの前頭前野は活動していなかった。

 その代わり、活発になっていたのは、感情や情動にかかわる「大脳辺縁系」。瞬時に危険を避けるなど、喜怒哀楽を生みだしその感情に基づいて基本的な行動を決める「心の脳」と呼ばれる部分だ。泰羅教授は「親が感情を込めて読むことで喜怒哀楽が伝わる。『怖い』『うれしい』がはっきり分かるようになると、生活行動に生きてくる」と解説する。

 実験に協力した東京都豊島区の大野直子さん(40)は次女の理瑠(みちる)さん(6)の寝る前などに読み聞かせをしている。長女の環さん(10)が加わることも。姉妹とも、本を読むのも作文を書くのも大好きという。「読んでいると私自身も和みます」と直子さん。

 読み聞かせを通して、子どもの小さな変化に気づけるようになるのも「親子のきずな作りに重要な役割を果たす」と泰羅教授。何を何分読めばいいのかといった質問を受けることも多いが「堅苦しく考えず、まずは親が楽しんで」と助言する。(葉山梢)

●1日平均2〜4冊

 子育ての交流サイト「ミーテ」の会員924人を対象とした調査では、1日平均2〜4冊を1回10〜20分程度読み聞かせているという家庭が最も多かった。

 会員の人気絵本ベスト5は以下の通り。(1)じゃあじゃあびりびり(偕成社)(2)うしろにいるのだあれ――みずべのなかま(新風舎)(3)いないいないばあ(童心社)(4)がたんごとんがたんごとん(福音館書店)(5)しろくまちゃんのほっとけーき(こぐま社)

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