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2011年11月2日15時24分
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地域で育む「道徳心」 福岡・久原小、体験や課題を共有

写真:2年1組の道徳授業。GT(右から2人目)も授業の初めから参加した=久山町久原拡大2年1組の道徳授業。GT(右から2人目)も授業の初めから参加した=久山町久原

 今年度から実施された小学校の新学習指導要領で充実がうたわれた道徳教育。福岡県久山町では1977年から町ぐるみで取り組む。先月12日、町立久原(くばら)小学校で開催された久山町道徳教育実践交流会における公開授業をのぞいた。

●ありがとうの心

 雪道が苦手な主人公しんちゃんが、6年生と先生の雪かきのおかげで登校が楽しくなったことに気が付き、感謝の気持ちを元気なあいさつに込めて伝える――。2年1組では、読み物資料「ゆきのないみち」をもとに、日頃お世話になっている人たちへの感謝の気持ちの大切さを学んでいた。

 「大変な雪かきをして、6年生の行動はいいなと思いました」「しんちゃんは、大きな声で『おはようございます』と言って、いいです」「あいさつには、しんちゃんの感謝の心が出ていると思います」。子どもたちが次々と感想を言う。担任の柴田喜代子教諭が問いかける。「学校の先生や家族じゃなくても見守ってくれている人がいますよね。今日はこの『ありがとう』の心をふくらませてもらいたいと思います」

 授業には、日頃から学校で読み聞かせや交通指導などをしているゲスト・ティーチャー(GT)8人が参加した。子ども4人で1班を作り、それぞれ取り囲む。柴田教諭が促した。「ありがとうの心をふくらませるにはどうしたらいい? しんちゃんは、『6年生は大変だな』と思えたから『ありがとう』と言えたよね。GTの先生に大変なことは何か聞いてみよう」

●実践に導く工夫

 柴田教諭は道徳推進教師。学習指導要領により、今年度から全小学校に配置された。「低学年では、感謝する範囲が自分が目にした出来事にとどまる。GTとの対話を通じ、自分の知らないところで生活を支える人がいることを知ってほしい」と話す。

 久原小の道徳の基本の一つが、友達の考えをしっかり理解し、自分の考えを出来るだけ分かりやすく伝える「聴き合い 語り合い」。道徳にとどまらず、授業で子どもは「○○さんの意見に付け加えます」と、自分と友人の発言をつなぎながら発表する。

 二つ目が「久原のもの・人・こと」との体験連携。「久原のもの・人・こと」は文字どおり地域の人々や物事を指す。道徳授業の課題は、実践に結びついていない点にあると言われる。2年1組のようにGTを招いたり、野菜作りをする学年が働くことの素晴らしさについて学んだりと、学びが教室の外とつながるよう工夫している。

 久山町は77年、道徳教育研究で文部省(当時)の地域指定を受けた。その際、学校を中心として、家庭や社会に道徳を啓発していく「町道徳推進委員会」を結成。以来、80年に道徳の日(毎月20日)を設定。96年には「道徳の町宣言」を出すなど、一貫して道徳に力を入れてきた。

 宮川優子校長は、こうした活動を「チーム久山」という言葉で捉える。公開授業後にはシンポジウムを開き、学校の取り組みを積極的に発信した。「子どもの課題はみんなで共有する。地域と学校、家庭が一丸となった活動を次の時代にもつなげたい」と話す。(山下知子)

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