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RPGみたいな小学校教科書 バンダイナムコが共同制作

2010年5月22日

写真拡大2年生の算数の教科書。ロールプレーイングゲームのように、問題を解いて、鍵を集めていく、という仕立てだ

写真拡大理科の教科書に出てくる「学年目標ツリーハウス」。学習する各単元の内容を「ツリーハウス」の模型にして、それぞれのつながりがわかるように工夫した

 ゲーム会社大手のバンダイナムコゲームス(BNG)がプロデュースした小学校の教科書が文部科学省の検定に合格し、来春から学校現場で使われることになった。「教育事業に進出し、子どもたちを楽しませるノウハウを生かしたい」と老舗(しにせ)の出版社・学校図書に持ちかけ、共同制作した。ロールプレーイングゲーム(RPG)のような物語仕立てで問題を出題するなど、異色の内容だ。

 今回つくった教科書は、算数、理科、国語の3教科。BNGの石川祝男社長は「学校教育の象徴である教科書づくりにかかわりたかった」。一方の学校図書も、学校での教科書のシェアは1〜2割程度にとどまっており、「他社との違いを明確にし、新しいものをつくりたい」(奈良威社長)と思惑が一致した。

 「授業以外でも開きたくなる教科書」を目標に、学習内容は学校図書、おもしろくする仕立てはBNG、と役割分担。算数では、各巻末に「算数アドベンチャー」というコーナーを組み、ロールプレーイングゲーム風に旅をしながら問題に挑戦する仕立てにした。正解すると鍵が手に入り、全部の鍵を集めると宝物をつかめる、というストーリーで、登場する子どものキャラクターも「ゆうと 7月25日生まれ」「元気だけど落ち着きがない、算数は苦手」など細かく設定している。

 理科では、各学年の巻頭に、大木の枝に家がぶら下がっているツリーハウスの模型の写真を掲載。「磁石の性質」「ふりこの運動」など、学ぶ内容をハウスの上に記して、流れが一目でわかるようにした。国語の教科書では、漢字の学習で工夫をみせた。例えば「動」の字では「力を入れておせば、重たいものだって動く」と構造を読み解き、左にいる重いゾウを、右側のネズミが力いっぱい押している挿絵をつけた。

 学校図書は「今までとの違いを強調して教育委員会にPRし、採択につなげたい」。「子どもを食いつかせるツボは心得ている」というBNGは、今回を足がかりに、教育産業でどう事業展開できるか検討するとしている。

     ◇

 〈バンダイナムコゲームス〉 「パックマン」や「ファミスタ」シリーズなどで知られるゲームソフト会社のナムコと、玩具会社のバンダイが2005年9月にバンダイナムコホールディングスを設立して経営統合。バンダイナムコゲームスはグループ内の主要企業として、ゲーム機やゲームソフトなどの開発、販売を担当する。「鉄拳」シリーズや「太鼓の達人」シリーズなどがヒットしている。

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