2010年9月21日
慶応義塾は21日、横浜市青葉区に開設予定だった小中一貫校の計画を縮小し、小学校のみの開設に変更することを決めた。当初2011年4月としていた開設年度は13年度にするという。資産運用の失敗などで財務が悪化し、建設資金を抑える必要が生じたため。「第2の幼稚舎」として注目されていたブランド校の計画変更は、受験界にも影響しそうだ。
新しい小中一貫校は慶応義塾創立150年記念事業の目玉の一つとして計画。用地を銀行融資を受け約54億円で同市から購入し、11年4月に開設予定だった。しかし、一昨年の金融危機が学校経営を直撃。株式などの含み損で学校法人の08年度決算は269億円の支出超過に陥り、事業見直しを進めていた。
21日の評議員会で決まった新計画では、開設年度は13年度とし、建設費を73億円から55億円に絞って小学校のみとする。卒業生は慶応湘南藤沢中・高等部(神奈川県藤沢市)に進学し、「一貫校」の看板は守るという。
これまでの計画では卒業生は慶応高校(横浜市)や慶応志木高校(埼玉県志木市)、慶応女子高校(東京都港区)にも進めたため、学内では「志望者数に影響するのでは」などと声があがったという。