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大仏の大きさ感じて 石巻市立湊第二小学校・佐々木潤さん

2008年5月19日

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写真「歴史に関心を持ってもらうには授業が楽しくなくちゃ」と語る佐々木先生=宮城県石巻市、戸村登撮影

 「古墳、飛鳥、奈良……」

 スクリーンに次々と現れる時代名を、子どもたちが元気よく読み上げていく。6年生の歴史のウオーミングアップ。縄文時代から平成まで一気に読み上げた後は、時代に沿って復習クイズが始まる。

 「日本一大きな古墳は?」

 スクリーンに質問が映し出されると、子どもたちから一斉に「大仙古墳!」と声が上がった。かつて仁徳天皇陵と呼ばれていた前方後円墳のこと。画面には「正解」の文字や古墳の写真。テンポよく楽しみながら要点を覚えていく。

 佐々木先生は声をそろえるタイミングを手で合図したり、正解に大きくうなずいたりしながら雰囲気を盛り上げる。ウオーミングアップは集中力を高めるのに欠かせないという。

 「授業はできるだけ楽しく。自由で明るい雰囲気が大切です」

    *

 この日から単元は奈良時代へ。先生はスクリーンに、太い柱の穴から笑顔をのぞかせている女の子の写真を映し出した。

 「何をしているところ?」

 すぐに男の子が「柱の穴をくぐってる」と答えた。

 「よくわかりました。穴の大きさはこのくらいです」

 真ん中に人がやっとくぐれる程度の穴の開いた新聞紙を広げて見せた。子どもたちが「入ってみたーい」と騒ぎ出す。先生は何人かの子の頭から新聞紙をかぶせ、穴をくぐらせた。

 くぐると御利益があるとされる柱の穴は奈良・東大寺の大仏殿にある。まずは大仏を通して、奈良時代を身近に感じるのが狙いだ。

 「この穴の大きさは、大仏のどこかの部分とほぼ同じです。さて、どこでしょう」

 子どもたちは資料集を開き、大仏の写真と新聞の穴とを比べながら考えた。出てきた予想は、髪の毛のカール(らほつ)、鼻の穴、目……。

 正解は鼻の穴。「鼻の穴がこのぐらいなら、全体はどれぐらい大きいのかな」

 大仏の高さは約18メートル。3階にあるこの教室の窓でも胸の辺りだ。身近なものと比べれば、大きさが実感できる。

 「大きいねえ。では、大仏の手のひらには何人乗れるでしょう? やってみましょうか」

 きょとんとする子どもたちの前で、先生はまたまた新聞紙を取り出した。机を左右に寄せ、床に広げてみると……。手作りの手のひらが現れた。もちろん原寸大。

 その上に5人、10人、15人と乗っていき、クラスの27人全員が乗り切った。佐々木先生と、授業を見学に来ていた2人の先生が乗ってもまだ余裕がある。

 「子どもたちが興味を持つ材料を提供したい。『歴史はおもしろいぞ』っていうメッセージを、盛んに送ってるんです」

    *

 「さて、この奈良の大仏、どんな人が作ったのでしょうか?」

 ここで初めて教科書を開く。声をそろえて音読してから、聖武天皇が大仏を作る詔(みことのり)を出したこと、延べ260万人が9年かかって作り上げたことを確かめた。

 「なぜ、こんなに大きな大仏を作ったのでしょう?」

 いよいよ時代背景に迫る、と思ったら時間切れ。「なぜ」の解明は次に持ち越し。(斉藤純江)

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