現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 教育
  4. 小中学校
  5. 天才の育て方
  6. 記事

千住博、明、真理子のおかあちゃま 文子さん:2

「集中を」と習い事は一つに

2009年7月14日

 子どもは、生まれてすぐから、いろんなことに興味を持ちますでしょ。博も明も、いろんなことをしましたが、うちではできる限りとがめませんでした。

 主人は「どんなことも集中することが大切。集中していることは邪魔せず、とことんやらせよう」という人でした。

 〈夫・鎮雄は、東京・杉並の父母の家の敷地の隅に、家族のための家を自分で建てた。夜になると、鎮雄の机はベッドに変わる。勉強道具を片づけ、上に布団を敷いて眠る。裕福ではなかったが、3人の子どもは愛情に包まれて育った。〉

      *

 博は、いたずら描きが大好き。いたずら描きをする時は、目の輝きが違いました。広告の裏紙はもちろん、壁や机、柱にもクレヨンで絵を描きました。ほとんどが空想の絵。ある日、町に正義の味方が飛んできて……という具合です。

 慶応幼稚舎の小学1年生の時に、労作展があって、自由研究のようなものを出品しなければならなくなりました。博は、おじいちゃまのところにあった大きな紙をつぎはぎにして、鉄人28号のはらわたをロボット構造のように描いて、持っていったんです。

 展覧会当日、教室に行ったら博の作品がなくて。探すと、場所がなかったのか、廊下の天井に飾ってあった。誰もすばらしいと言ってくれなかったけれど、私と主人は満足でした。

      *

 博と明と真理子の3人は、いつも「共同体」でした。博をリーダーに、明と真理子がまねをして回る。

 明は、博と違う教育熱心で評判の幼稚園に入れました。数十倍の倍率で入園したのに、途中で口をきかなくなってしまって。博の自由な幼稚園に転園させたら、ガキ大将に戻ったので、やはりうちの子は自由が一番と思いましたね。

 〈3人とも慶応幼稚舎に入学。ほかの友達が家庭教師をつけ、塾に通わせても、鎮雄はそれを許さなかった。〉

 「社会に出たら、だれが教えてくれるんだ」って。家庭教師をつけて成績が上がっても、自分で勉強する方法を知らなければ、社会に出たら困るって。

 習い事も一つだけ、と決められていました。「一つに集中しなさい」。主人の教育理念は一貫していました。 (敬称略、聞き手・宮坂麻子)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

[PR]注目情報

ここから広告です

広告終わり

ジャンル別の最新情報はこちら
  • 大学
  • 中学・高校
  • 通信制高校