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千住博、明、真理子のおかあちゃま 文子さん:3

成功は「努力×才能」、私も夜中に勉強

2009年7月21日

 「成功は、努力×才能だ」と主人は言います。「努力がゼロでも、才能がゼロでも結果はゼロになる。生まれながらの天才はいない」と。

 〈長女の真理子は2歳3カ月からバイオリンを始め、5年生で全日本学生音楽コンクール小学生の部で全国1位に。中学3年では、日本音楽コンクールで最年少の優勝を果たした。〉

     *

 真理子は幼い頃から、しっかりしていました。

 最初は、博がピアノを習っていたんですが、明が3歳の時、NHKのバイオリンのレッスンの番組を見て「あれがやりたい」と言いました。うちには縁のないものと思っていたのですが、偶然、母の知人が、番組で教えていらした鷲見三郎先生のお知り合いで、先生から「うちに来てみなさい」とお声がかかりました。

 とんでもないことになったと思ったけれど、お断りするわけにも……。明を連れて恐る恐るお邪魔したら「3人でキラキラ星を弾けるようになりましょう」っておっしゃって。楽器をお借りし、背中におぶっていた真理子まで、教えていただくことになってしまいました。

 〈しかし、文子も鎮雄も音楽の専門知識はない。真理子が全国1位になってからは、特に大変だった。〉

 鷲見先生の時から、いつも同じ楽譜を2冊用意して、レッスンに行きました。私が、真理子と別の楽譜に、必死で先生のおっしゃったことをメモしてくる。ところが、コンクール後に教えていただいた江藤俊哉先生は厳しく、一度しか注意をおっしゃらない。そのうち専門用語やドイツ語も出てくるようになり、私のほうが本を買って、夜中に勉強しました。

     *

 ある日、バッハのフーガを弾くことになったのですが、どうもうまく弾けない。といっても、こっちもわからない。フーガの意味を調べ、階段を一歩一歩上っていくような奇妙な姿をして、「こういう感じ」と踊って見せました。

 真理子もよくついてきました。博と明は「才能×努力」ですが、真理子は「才能×努力×努力」かもしれません。

 〈慶応幼稚舎から慶応大へ。3人ともストレートに上がるレールは敷かれていた。だが、博も明もそのレールを捨てて、あえて険しい道を選んだ。〉

(敬称略、聞き手・宮坂麻子)

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