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卓球選手・石川佳純のお母さん 久美さん:5

「強いライバルに囲まれていないと」

2009年9月1日

写真観戦に行った北京五輪で。「やっぱりオリンピックは参加するもの」と痛感

 佳純さん(16)のもとに、大阪府八尾市のミキハウス・ジュニアスポーツクラブから誘いが来たのは、小学5年生のときだった。全日本卓球選手権ホープスの部(小学校6年以下)でベスト8に入った直後である。

 「最初は、中学卒業までは手元にいると思って自宅に卓球場も作ったのに、とも思いました。でも、ミキハウスのほうが、施設もコーチ陣も練習環境も格段にすぐれていましたから。自宅卓球場では、卓球教室でもやればいいかと」

 久美さん(46)は冗談まじりで話すが、戦略もしっかり立てていた。

    *

 久美さんが評価する佳純さんの才能は、瞬時に相手のことを見抜く洞察力である。どれくらいの力量か、弱点はどこか。プレーをちょっと見ただけで理解する。試合相手の技をすぐ盗んでまねる。しかし同時に、相手がたいしたことないと見るや、手を抜くことにもつながる。

 08年の北京五輪に親子で行き、卓球競技を見たときのことだった。「オリンピックはどうだった」と聞いた久美さんは、佳純さんの「オリンピックでは、みんな1本目から集中してやっている」という答えを聞いてびっくりした。

 「じゃ、なに、あなたは1本目から真剣にやってないの、って。だから、佳純は、ミキハウスで、強いライバルたちに囲まれていないといけないんです」

 佳純さんの毎日はこんな感じだ。練習場併設の寮で朝6時半に起床、7時すぎの電車で四天王寺高校に通学する。午後3時ごろに寮に帰り、午後5時から午後10時まで練習し、午前0時ごろにベッドに入る。休日は月曜日だけだ。

    *

 最後に佳純さんの課題を聞いてみた。

 「飽きっぽい佳純は、いままで試合で勝つ楽しさに引っ張られて卓球をやってきたと思います。でもこれからは、いつも勝てるわけではない。勝てない時期が長くつづくかも知れない。そんなときの、精神力でしょう」

 この言葉、そのまま久美さんから佳純さんへの忠告である。(石川雅彦)

    ◇

 次回からは、水泳選手の入江陵介さんです。

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