関西大・開花調査隊
2009年5月7日
開花状況を調べる関西大の学生たち=大阪市北区
関西大(大阪府)の学生が今春、京阪神の桜(ソメイヨシノ)の開花を歩いて確かめ、住民らから寄せられた情報も取り込んで、地域ごとの開花時期を地図に落とし込んだ。環境都市工学部専任講師の宮崎ひろ志さん(49)の呼びかけで集まった約30人の「調査隊」だ。
本当の狙いは、生活熱によって都市部が周辺に比べて高温になるヒートアイランド現象。市街地に多く見られるソメイヨシノを対象にすることで、測定点を細かくできる。ソメイヨシノは夏の間に翌年の花芽(かが)を形成したのち休眠し、翌春の気温上昇とともに成長、開花する。開花日は積算気温によって決まり、開花時期を調べれば、冬季のヒートアイランド現象の影響を考察できるというわけだ。
調査の結果、都市部の風下で開花が早い地域が目立った。都市熱が風で流れるためと推測される。4年生の水沼真佳(まどか)さん(21)は「身近にある桜が自然の温度計となり、環境の健康診断ができるのがおもしろい」と話す。(市原研吾)
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現地調査班とデータ分析班に分かれて活動。住民や学校からの情報提供も約300件寄せられた。調査概要はホームページ(www.arch.kansai-u.ac.jp/env1/thermtop.htm)で。
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