駒沢大学(東京都世田谷区)の電気美術研究部、略して「デンビ」。学内外の講演会や演劇などの照明と音響を請け負っている。年に20件前後の「仕事」をこなすセミプロ集団だ。
入部時はほとんどが素人。「ちょっと興味がある」「変わったことをやりたい」といった軽い動機で入ってくる。先輩が手取り足取り教え、1年生の秋ごろから現場責任者を任せられる。すると、職人的な世界にのめり込んでいくのだという。音響担当の文学部2年窪田愛深(めぐみ)さんは「キーンという音が鳴らないようにマイクやスピーカーの位置を調整する時、自分の腕が試されていると感じる」とやりがいを語る。
アルバイトもできないほど忙しい時期もある。だが、「依頼者から『よかった』と言われると、やっててよかったと思う」と同2年の飯野亮平さん。
実は60年を超える歴史のある部だ。卒業後、プロになる人は少ないが、幹事長の嶋野周太郎さんは「学外の人とのやりとりが多いので、礼儀については先輩から厳しく言われた。どんな仕事でも役立つと思う」と胸を張る。(葉山梢)
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部員は照明が12人、音響が9人。学内の文化祭や演劇のほか、横浜市の総持寺の「み霊祭り」でも照明と音響を手がけている。活動内容はホームページ(http://denbi.boo.jp/)で見られる。
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