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長時間スマホで勉強の成果は帳消しに!?

2019.04.08

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関口 修司
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  • 平均的な女子高校生は、小中学校の1年間の授業時間の2.5倍をスマートフォンに費やしている。
  • スマホを長時間使用する子ほど学力調査の正答率が低い。2時間以上だと勉強の成果は帳消しに
  • せめて1日30分、スマホ使用時間を削って本や新聞を読む時間にあてよう

スマホと学業成績に負の相関 使用時間が延びるほど……

女子高生は小中学校の授業時間の2.5倍、スマホを使う

「1日平均5.6時間」。何を示す数字か分かりますか。これは、情報セキュリティー会社・デジタルアーツ(東京都)が2018年に調べた「女子高校生の1日のスマートフォン平均使用時間」なのです。決して使用時間の長い子の数字ではありません。1日5.6時間なら1年間365日では2044時間になります。この数字がどれほど大きいか、イメージできますか。

2020年度からの教育改革で、小学4~6年生、中学生が1年間に学校で学習する総時数は1015単位時間(時限)になります。小学校は1単位時間が45分、中学校が50分ですから、時間に換算すると、1年間で小学校は761.25時間、中学校は846時間になります。2044時間をそれぞれの数字で割ってみてください。小学校の2.7倍、中学校の2.4倍となります。つまり、平均的な女子高校生は、小中学生が1年間に学校で勉強するおよそ2.5倍の時間、スマホを使っていることになるのです。

スマホを使っても特に悪影響がなければいいのですが、そうはいきません。仙台市教育委員会が7万人の小中学生を対象に行った学力調査(仙台市標準学力検査2013)などでは、平均正答率とスマホアプリの使用時間の負の相関が明らかとなりました。小、中学校ともスマホの使用時間が長い子ほど平均正答率が低くなるのです。特に中学校で4時間以上スマホを使用している生徒の正答率の落ち込みが顕著でした。

長時間スマホで勉強の成果は帳消しに!?01

「勉強もスマホも2時間以上」より「勉強もスマホもやらない」方が好成績

さらに、中学生の数学の平均点との関係について、家庭(平日)での平均勉強時間とスマホアプリの使用時間でクロス集計をしたところ、自宅で2時間以上勉強する子のうち、スマホを持っていない子の平均は71点でしたが、スマホの使用時間が長くなるにしたがって平均点はほぼ下がり、4時間以上使用する子になると平均は59点でした。また家で勉強をしていない子では、スマホを持っていない子の平均は61点でしたが、スマホを4時間以上使用する子になると平均は45点まで下がりました。驚くのは、家で勉強しないがスマホを持っていない子の平均(61点)が、家で2時間以上勉強するがスマホも2~3時間使用する子の平均(60点)を上回っていたことです。家で2時間以上も勉強した成果はどこに行ってしまったのでしょうか。

この調査は数年にわたり継続して行ったため、次のような結果も出ました。スマホを使っていなかった子がスマホを使い始めると成績は急降下。また、スマホを使っていた子がスマホをやめると成績は徐々に上昇するというのです。

以上のような結果から、脳科学者として著名な川島隆太・東北大教授は、「スマホが脳に害を及ぼすことは、疑いようがない」とまで言っています。

この調査では、スマホの使用時間を1時間未満にすれば学力への悪影響が少ないことも明らかになっています。でも、1時間未満に抑えるのは至難の業でしょう。

そこで現実的な方法を提案します。まずは、せめて1日30分スマホの使用時間を削り、その分は本や新聞を読んではいかがでしょう。1日30分でも、その子を大きく変えるに違いありません。ちりも積もれば山となる。1日30分。でも1年間続ければ、なんと小学校高学年と中学校の国語の総授業時間を大きく上回るのです。

それでは、その30分間、どのような本を読んだらよいでしょう。知りたいですよね。そのことについては次回。ただ、これだけは言っておきます。本だけじゃダメなんです。新聞も読まなきゃダメなんです。その理由も次回。

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