大学入試 結果でなかった人へエール / 自分見つめる原点に

2019.03.14

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阿部 健祐
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  • 大学受験、現役では「全落ち」。自分の原点に
  • 予備校の担当者「来年は7割は受かる」の言葉にのせられ
  • 結果でなくても 今までの努力は無駄じゃない

3月10日。自分の原点に戻ろうと、東大本郷キャンパスの合格発表会場を訪れた。私は、38年連続で東大合格者数1位(週刊朝日3月22日号の速報値より)となった中高一貫校・開成(東京都荒川区)の卒業生だ。在学中、まったく優秀とは言えなかったが、浪人時代に多くの人に支えられて、11年前、この場所にたどりつけた。

掲示板の前でよろこぶ制服姿の女子生徒。そのそばを、番号がなかったのか、静かに引き揚げる男子生徒の姿があった。エールを送りたいと思った。これからの人生を考えれば、当落を決したわずかな点差なんて大したものではない、と。

「原点」と書いたのは、学歴自慢でもなんでもない。現役時代、出願した私立大学はすべて不合格。打ちのめされたが、自分の能力や性格を客観的に見つめるきっかけになった。

高校在学中、上には上がいることを実感し、焦りから勉強に身が入らなかった。成績は下降線をたどった。差を埋めようと高3の夏以降、1日16時間、机に向かった。空回りし続け、本番を迎える頃は、心身ともにボロボロだった。

一浪が決定し、予備校の東大コースの入学説明会に話だけ聞きにいった。「こんな僕でも、受かるんでしょうか」。担当者は即答した。「1年間、しっかりしたやつの7割が受かる」

それから1年間、計画的に勉強した。予備校の先生には、わからないことをわからないと素直に聞けるようになった。

合格後、担当者から「7割は受かる」が作り話と明かされた。こんな自信のないやつは来年も受からないだろうけれど、ここでうそでも言わないと1年間、勉強を頑張れない――。そう思ったらしい。

今年、結果がでなかった人はまず、休んで気力を回復させて欲しい。今までの努力が無駄だったと悲観する必要などない。あの1年間で知ったのは、どんな逆境でも、地道にやっていれば、支えてくれる人が必ず現れること。それが私の原点になっている。

大学入試 結果でなかった人へエール / 自分見つめる原点に

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