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大学で奨学金を利用するには

2019.04.04

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坂本 綾子
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子育て世代のお金の悩みに、子育て世代のファイナンシャルプランナーがお答えするコラムです。

Q.奨学金を利用したい 具体的な手続きと注意点は?

《相談例》
 この春、長女が首都圏の国立大学に進学しました。幸い大学の寮に入ることができたのでこれまでためた教育資金の範囲で賄うことができそうです。でも下の子も進学を控えていますし、生活費もかかるので仕送りはギリギリです。奨学金を利用できると助かるのですが、卒業後の返済で苦労する人も多いと聞きます。奨学金利用は慎重にした方がいいのでしょうか。また、奨学金を利用する際の注意点、具体的な手続き方法を教えて下さい

《相談者はこんな人》
愛知県在住、女性48歳、専業主婦(パート)、持ち家。
夫は会社員48歳、家族は長女(大学1年生)と長男(中学2年生)。
収入=年収700万円(夫)+年収100万円(妻)
支出=生活費は毎月34万円程度(住宅ローンを含む)。
長女への仕送り月6万円(妻のパート収入から)
貯蓄/運用=長女の教育費として150万円(300万円ためた中から150万円を入学金・1年時の授業料・新生活準備として使った)、そのほかに約500万円(いずれも定期預金)
保険=定期付き終身保険(契約者・被保険者は夫)

A.高3での「予約採用」が得策だが、まだなら大学を通じて申請できる

進学おめでとうございます。まずは一安心ですね。

ただし、これから長女は4年間、長男も大学まで進学するなら9年間、教育費の負担が続きます。長男が大学を卒業するとき、相談者ご夫婦は57歳になります。教育費をどのように工面するか、特に大学や専門学校の費用は、老後資金も考慮しながら検討するのがポイントです。

大学生活で1年間にかかる金額
大学生活で1年間にかかる金額

まずは奨学金の基本を知ろう

手持ちの資金では足りない、あるいは老後資金にとっておきたいから取り崩したくない。そんなときの方法として奨学金の利用があります。奨学金には、最も利用者が多い日本学生支援機構のほか、大学独自のもの、民間企業や団体、自治体が実施するものなどがあります。以下の点はほぼ共通ですので押さえておきましょう。

▼奨学金には返済不要の給付型と、返済が必要な貸与型がある。いずれも審査があり、子どもの成績と親の経済状況をもとに判断される。
▼授業料相当額などを一時金で給付するもの、毎月一定額が振り込まれるものがある。
▼貸与型には無利子と有利子がある。
▼貸与型は子ども名義で借り、卒業後に子どもが返済する(一方、教育ローンは親が借りて親が返済する)
▼在籍する高校や大学、専門学校を通して申し込む。

奨学金は原則学校ごとに人数の上限が決まっているので、必ず利用できるとは限りません。大学や専門学校では利用できる奨学金の種類や金額、条件などの情報を提供しています。まずは在籍する大学や専門学校、進学希望先の学校の情報収集から始めましょう。

日本学生支援機構の貸与型奨学金の手続き方法

利用者が最も多い日本学生支援機構の貸与型の奨学金の場合は次のような手順になります。

1.高校3年生の時に高校を通して大学(や専門学校)1年生で借りる奨学金の予約採用を申し込む。進学後、日本学生支援機構の「採用候補者決定通知」を大学に、日本学生支援機構には「進学届」を提出する。
2.奨学金の予約採用を申し込んでいない人は、大学を通じて同機構への申し込み手続きを行う(在学採用。入学後の申し込みの場合は振り込み開始の時期が遅れる)。
3.採用が決定すれば、奨学金が振り込まれる。予約採用なら4月分から、在学採用なら採用された月から。
4.4年間利用するなら、毎年更新手続きが必要。

高3での予約採用が得策だが、大学入学後も申請できる

大学生活をまかなう主なお金
大学生活をまかなう主なお金

大学などの費用を奨学金で賄いたいなら、高校に入ったらすぐに情報収集を始め、高校3年生で予約採用を申し込むことをお勧めします。ただし採用されたとしても、振り込みは入学後となりますから、入学金と前期授業料は最低限、親が準備しておかねばなりません。その学校の学生になって初めて奨学金は利用できます。採用されなかった場合は、代わりの方法を検討しなければなりません。

特に貸与の奨学金は、就職後に子どもが返すことになりますから、勉強のためにお金を借り、自分で返すという自覚が子ども自身に必要です。いくら借りるか、返済していけるかを、親子でしっかり話し合いましょう。相談者の場合、長女は申し込んで採用となれば、奨学金を利用できます。長男はまだ時間がありますから、今後の家計の状況や長男が希望する進路をもとに検討しましょう。

本日の結論

  • 奨学金には貸与型と給付型(有利子・無利子)があり、通常は在籍する学校を通じて申し込む
  • 日本学生支援機構の奨学金は高3で予約するのが得策。進学後も申請できるが開始は遅れる
  • 貸与型はお金を借りる、自分で返すという自覚が子ども自身に必要。親子でしっかり話し合いを

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