大学選びのカギは中学受験から!

大学合格実績が伸びている中学校の取り組みとは? 後編・大宮開成中

2019.04.08

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林 郁子
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東大、京大といった難関国立大や、早慶、上智、東京理科、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)などの私立難関大への合格者数を、この10年で伸ばしている中学・高校があります。どのような取り組みが成果を上げているのでしょうか。前編の本郷中学校につづき、後編は埼玉の共学校、大宮開成中学校です。

大学合格実績が伸びている中高一貫校の取り組みとは?前編・本郷中

大宮開成中学校(共学・埼玉県)

6年間を通じて築く信頼関係

2005年に大宮開成高等学校に併設する形でスタートした中高一貫部。現在、着々と伸びている大学合格実績は、「中高一貫で学ぶ効果の現れ」と、教頭の松崎慶喜先生は話す。「中高一貫部の第1期生が入学した当時、それまで学内では高校生だけに接していた教員は、中学1年生の人なつっこさに驚きました。小学生のように、教員に甘える生徒がたくさんいたのです。生徒たちには、中学生らしい教員との距離感を身につけてもらう一方で、教員に対する信頼は失わないでいてほしいと考えました。適切な学習指導に、教員と生徒間の信頼は欠かせません」と松崎先生。

大学合格実績が伸びている中学校の取り組みとは? 後編・大宮開成中01

効率的な勉強方法や進路のアドバイスなど、学校生活を送る上で教員から生徒に提供できる情報はたくさんある。しかし、そうした有用な情報を生徒側が「先生が言うならやってみよう」と受け止めるには、信頼関係が必須だ。担任は、生徒が学習や学校生活の感想を記す『自学自習の記録』に毎日必ず目を通し、メッセージを返すなど、生徒一人ひとりの理解に尽力する。

さらに「6年間という時間を生かし、読書を通して、生徒に好きなことを見つけてもらう試みも始めています」と中高一貫のメリットを語るのは、国語科の越阪部(おさかべ)晋先生。大学受験を目前に控えた高校生は、受験勉強が優先されがちだ。しかし、中学生なら、各自の興味や関心の対象を探す時間がまだ十分にあるのだ。越阪部先生は続けて話す。

「中学1年生から朝読書の時間を設け、授業で積極的に図書館を活用したりするなど、本を通して、テキストから情報を読み解く力を養い、生徒たちの興味の世界を広げています。たとえば、私は国語科の教員ですが、ホームルームを担任する中学生のクラスでは、科学情報誌の『Newton』や『高校への数学』という自然科学分野の雑誌の紹介もします。科学や数学が好きな生徒の中には、定期購読を始める生徒もいます」

1学年かけ10分野の新書を読む

中学生のうちに好きなことを見つけ、のびのびと学んだ生徒は、高校での進路決定で迷うことも比較的少なく、目標に向けて集中して勉強に取り組みやすいそうだ。1クラス25人、1学年で100人前後という規模も、きめ細かな教育方針を反映しやすいバランスだ。

松崎先生は、「放課後の個別指導や長期休暇講習といった規定の補習だけでなく、日々の授業における生徒の理解度の把握、丁寧な質問対応など、生徒と真摯に向き合う教員の努力が、大学合格実績に大きく寄与しているのかもしれません」と語る。

大学合格実績が伸びている中学校の取り組みとは? 後編・大宮開成中02

新書を活用して幅広い分野の知識に触れる

毎月、生徒には出席番号順に割り当てられた分類番号の新書を読む課題が出される。学校図書は「日本十進分類法」に基づいて10 分野に分けられているため、生徒も出席番号で10 区分し、1学年かけて分野を一巡する。普段は手に取ることのない分野の本を読むことで、新たな興味の対象を見つける生徒も多い。また、幅広い分野を知ることで、大学進学や職業選択などのキャリア教育の基礎づくりにも一役買っている。

大学合格実績が伸びている中学校の取り組みとは? 後編・大宮開成中03

教員と生徒で満点をめざす 授業理解度「小テスト」

各教科の授業内でこまめに実施される小テスト。その主な目的は生徒の学習評価ではない。教員自身が、授業がどのくらい生徒に伝わったのかを確認するためだ。授業の最初に前回の復習テストを行ってクラス全体の理解度を把握し、その理解度に合わせてその日の授業内容を調整することもある。教員の「教えたはず」、生徒の「わかったつもり」の理解の穴を、テストを活用して埋めていくので、お互いが成長できる。

(記事は『カンペキ中学受験2019』より引用)

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