駿台、河合塾、代ゼミ 3予備校座談会

【前編】2019年大学入試速報、2020入試改革への対応は?

2019.04.08

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2019年の大学入試の傾向は? 迫る2020年度の大学入試改革にどう対応すればいいのか――。EduA編集部は3月、コラム連載を担当する3予備校(駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナール)の幹部を招いて入試座談会を開催し、これらのトピックスについて語ってもらった(文中敬称略)。

河合塾の福永就夫さん、代々木ゼミナールの佐藤雄太郎さん、駿台の石原賢一さん
左から)河合塾の福永就夫さん、代々木ゼミナールの佐藤雄太郎さん、駿台の石原賢一さん=北村玲奈撮影
後編を読む:保護者の不安は英語! AO入試への対策は?

駿台・石原 国公立大全体の志願者は8年ぶりの増加。国立は8年連続の減で、対照的に公立は4年連続で増えた。センター試験の平均点が上がり、受験生が最後まであきらめなかった。一方、難関国立の前期は4年ぶりに減少。医学部の前期は5年連続の減少で、人気は沈静化した。

私立は集計中だが、13年連続で増加の見込み。センター利用型が増えている。文系の志望者は頭打ちだが、ICTだとかAIなどの情報系の人気が非常に高まっており、理学部、工学部系の増加が目立つ。国公立も私立も「安全志向」が強い。最難関は減り、中堅クラスに集まった。

医学部は景気と地域枠の関係で都市部の志願者の減少が大きいが、地方での人気は根強い。地域医療を担う医師をつくりたいという意向もある。どうしても医者になりたい層は健在で、潜在的な志望者は減っていない。

石原賢一さん
駿台の石原賢一・教育研究所進学情報事業部長

河合塾・福永 一般入試以外も含めると、国公立で新入試制度を意識した多面的評価の導入が進んでいる。特に医学部、教育学部系だ。一般入試の定員を減らし、AO入試や推薦入試に定員を移す動きも見えてきた。

経済学部、経営学部系の人気が高かったが、急に難化したため敬遠された。情報系、グローバル系の学部に人気が集まった。

代ゼミ・佐藤 センター試験の易化は昨年の結果からある程度は想定された。試験は2年前から作りはじめるが、大学入学共通テストの試行調査を多少意識したのでは。理科系で図表や統計資料が非常に増えた。逆に日本史は、今まで出ていた絵や図版がほとんど出なかった。

すでに2020改革の影響は出ている!

佐藤 正直に言えば、制度的に見て、それほど大きく変わらないように思う。ただ、英語の4技能のうち、スピーキングはトレーニングしていくしかない。国語は問われたことにきちんと解答できるかどうか。リテラシーを問われる。

福永 試行テストを見ると内容はさほど難しくないレベルだが、資料の量が非常に多く時間が足りない。文章、図表、グラフから情報を読み取り、出題者の意図に沿った解答を考える必要がある。

石原 学力層ごとに受け止め方は大きく変わる。東大、京大の国語の2次試験対策をしてきた受験生にとって記述式はなんでもない。試されるのは、今回のマーク式あるいは国語の記述試験で見られたような読解力。今回は「精読」に対するアンチテーゼで、ななめ読みをしないと間に合わない。必要な情報だけを文章の中から捉える練習を低学年からやらないと。基本は新聞のコラム。しっかりと読んで、100字くらいでまとめるような訓練をやる。

英語はリスニング対策がカギ

福永就夫さん
河合塾の福永就夫・進学教育事業本部長

福永 不安の声が多い。河合塾で昨年5月に中学~高校生とその保護者にアンケートした。英語についての不安は約75%。英語が志望校の選択に影響を与えると答えている人が約半分。共通テストでは読解とリスニングがメインとなりそうで、特にリスニングの比重が大きくなりそうだ。河合塾では、授業で読ませる英文を音源にし、日常的に聞き取らせている。新テストでは、文法や語法の問題はなくなりそうだが、それらの知識がないと、リーディングやリスニングの問題を解くことはできない。英語の学習としては外せない。

英語資格検定試験が高3の2回の結果で判定されることを考えると、その対策は、高2までに終えておく必要がある。それらを含め、今後は入試対策を始める時期は今より前倒しにならざるをえない。

石原 難関大志望者は今までとほとんど変わらない。北大、東北大、東大などは外部試験を事実上、使わない。逆に一番影響するのは、地元大レベルを受ける層。英語外部試験について加点方式が多い。なお、我々の調査では、85%の高校が実用英語技能検定(英検)かベネッセのGTECの受験を考えている。欧州言語共通参照枠(CEFR)のA2は英検の準2級レベル。進学校に通っている生徒からすれば大きな負担ではない。

佐藤雄太郎さん
代々木ゼミナールの佐藤雄太郎・教育総合研究所所長

佐藤 代ゼミでは、英語4技能を指導するための教員研修を実施していて、現場の先生からのニーズの高さがわかる。特に学校現場でスピーキングを一斉に教えるのは難しい。生徒によって学力に違いがあり、個別対応が必要だ。トレーニングベースでやっていくしかない。ただ、大きく変化はないと思う。

石原 スピーキングに関しては、どうやって自分で訓練するか。大事なのはフリートークやグループ討論でまずは声を出し、英語で質問を聞いて答えることを繰り返すことだ。

(後編につづく)

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