『ドラゴン桜2』桜木建二が教える 2020教育改革

絵→文、文→絵のトレーニングの効果とは?

2019.05.10

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桜木 建二
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「教育改革」を掲げ、学校や受験の現場が大きく変わる2020年まで、あと1年。過渡期のいま、わが子にどのようにアドバイスしていったらいいか、不安に思う保護者もいるでしょう。そこで、このコーナーでは、東大合格請負漫画・ドラゴン桜2とのコラボレーションで、新しい時代に求められる学力や学習法を紹介していきます。ナビゲーターはドラゴン桜2の主人公・桜木建二です。

2020年度からの教育改革で重要視されている「国語力」。でも、一言で表現してしまうと、ポイントがわかりにくいな。塾で子どもたちの国語指導にあたる坂本聡さんは、「国語力をよくよく分析すると、『3つの力』から成り立っています」と話してくれたぞ。

国語力を分析してみる

前回、国語力をつけるための本『国語が得意科目になる「お絵かき」トレーニング』から、例題を解いてみた。初歩的な問題なので「できない」ということはないだろうが、大人がやっても意外に手こずり、頭を使う。この疲れこそ、われわれがいかにふだん国語力を働かせたり、鍛えたりしていないかの証左だ。著者の坂本聰さんに、話を聞いてきたぞ。

国語の力とは何でしょうか。それが明確になっていないから、文章読解問題をどう解くか、どう教えるかもあいまいになってしまうのだと思います。私が考えるに、国語力とは、次の三つから成り立っています。理解力、比較力、表現力です。

ふだん私たちは、知らずに身につけた『慣れ』によって、読んだり書いたりしています。これら本来の国語力を活用せずとも、日常ではたいていなんとかなってしまいますからね。でも、それでは国語力は伸びない。やっぱり、意識的にトレーニングする必要があるのです。

「媒体変化」で「わからない」に気付く

そこで、国語力を磨く最も効果的なやり方として、お絵かきトレーニングがあるというのだ。

絵から文へ、そして、文から絵へ。私が提唱する国語トレーニングでは、同じ内容のものごとを、絵と文の両方で表現できるようになることを目指します。

絵→文、文→絵と操作することを、『媒体変化』と言います。媒体変化を実際にやってみると、その人が、何をどこまで認識できているかが、はっきりとわかります。絵を見て読み取れなかったものは、文章に変換できませんし、文を読んで理解できなかったことは絵に描けるわけもありませんからね。つまりは、理解力が磨かれていく。

自分が何をわかり、理解できているのか。どこがわかっておらず、理解できていないのか。これをはっきり認識することは、何かを学ぶうえでの第一歩です。

絵→文、または文→絵と置き換えていく作業とは、いわば『理解のプロセス』のレッスンです。提示された内容を小さく分解して、その一つひとつを読み解いていき、わからないところが出てきたらそこは入念に読み解き直し、すべての要素を『わかる』にしていくわけですから。

 繰り返しトレーニングすれば、ものごとを丁寧に読み解いて、理解する方法が身につけられます。この方法論は、国語の読解力を伸ばしてくれるのはもちろんのこと、どんな教科の勉強にも当てはめられます。

もっといえば、大人が何か思考をするときや仕事を進めるうえでも、たいへん有用となります。小学生から年配の方まで。老若男女にお絵かきトレーニングを勧めたいゆえんです。

(ライター・山内 宏泰)

※この連載の最新版は、LINE NEWS「朝日こども新聞」(月、水、金 8:30配信)で読めます。

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話を伺った人

坂本 聰さん

(さかもと・さとし)1972年、東京都生まれ。一橋大学商学部卒業。大学やサラリーマン時代に、「思考力」「コミュニケーション力」の重要性を痛感する。99年、国語指導をベースにした現代の寺子屋、考学舎を設立。2015年、まちのまなび処(東京都墨田区)開設。高校在学中にベルギーに留学した経験などをふまえ、独自のカリキュラムを提供している。昭和医療技術専門学校特任教授(日本語表現法、思考法)。主な著書に、『国語が得意科目になる「お絵かき」トレーニング』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

『ドラゴン桜2』
作者は漫画家・三田紀房さん。中堅校に成長したものの、再び落ちぶれつつある龍山高校が舞台。学校理事として加わった弁護士・桜木建二が淡白な「現代っ子」たちを東大に合格させるべく、熱血指導するさまを描く。教育関係者らへの取材をもとに制作されていて、漫画を通じて実用的な受験テクニックや勉強法をふんだんに紹介している。2018年1月から、雑誌「モーニング」(講談社)や「ドラゴン桜公式メルマガ」で連載中。2003~07年に同誌で連載したパート1は、廃校寸前の龍山高校に通う偏差値30台の高校生が、1年で東大に合格する姿を描き、話題になった。

国語が得意科目になる「お絵かき」トレーニング
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